ショパール ミッレ ミリアGT XL GMT オーバーホール アンクル交換 ガラス接着 ケース、その他パーツ錆落とし
腕時計修理内容
ブランド名 | ショパール |
モデル名 | ミッレ ミリアGT XL GMT |
型番 | ref.16/8514-3001 |
修理内容 | オーバーホール アンクル交換 ガラス接着 ケース、その他パーツ錆落とし |
修理料金 | ¥53,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | 見積2-3週 作業1-1.5ヵ月 |
症状タグ | 止まる水/湿気入り錆び・腐食 |
ストラップのタイヤ柄が特徴のミッレミリア
ムーブメント ETA A07171
アンクル(歯車の回転をテンプの往復運動へ変換する部品)
錆びてしまった極小のホゾ(軸)約0.1mm
ショパール ミッレ ミリア(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp
ショパール ミッレ ミリア(新品)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp
私が担当しました
宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ
接客と見積、修理作業を担当。宝石広場在籍15年以上。
居酒屋一人呑み歴も15年以上。
店頭での販売、修理作業、その他の経験を活かし分かりやすいご案内を心がけています。
何かございましたらお気軽にお問合せください。
修理担当した時計
担当者コメントと修理のポイント
今回より修理事例を書かせていただくことになりました。
宝石広場 時計修理センター渋谷の高橋と申します。
今回ご紹介する修理事例はお客様からお預かりしたショパール ミッレミリアGT XL GMTです。(画像1)
ショパールのメンズコレクションで思い浮かばれるのが現代のトレンドであるラグスポで人気のアルパインイーグルですが、ミッレミリアも古くから人気の絶えない同社を代表するコレクションの一つであることは間違いありません。
搭載されているムーブメントはETA 7750からクロノグラフ機能を取り除いたETA A07171です。(画像2)
ベースとなった7750は一般的な3針ムーブメントに比べて直径が大きく、歯車類や香箱(動力ゼンマイ部)やテンプ(精度を司る心臓部)も大きいため動作が安定しておりメンテナンス後の調整もしやすい印象があります。
このA07171はローター径が元の7750より拡大しており、巻き上げ効率も良く、裏ガラスから迫力のあるローターの動きを楽しめます。
ショパールのみならずパネライの3針モデルにも7750ベースのムーブメントが使われていることから、大きめのケースであれば魅力的な選択肢と言えます。
お預かりした時の聞き取りでは、時計が曇るようになり内部に水が入ったようで完全に止まってしまったとのことで修理をすることになりました。
水分の侵入経路を調べたところ、裏蓋ガラスのテフロンパッキンが劣化したことから浸水していることがわかり当店では新品のパッキンが入手できないため防水性の復帰は困難でオーバーホール後は非防水扱いでの返却を前提としたお預かりとなりました。
劣化したテフロンパッキンの隙間に接着剤を流し込むことで浸水経路は塞ぎ現状では防水性は復帰しましたが、これは苦肉の策の応急処置であり他の箇所がいつ浸水するか不明のため防水保証はできません。本来は外装部品交換を含む防水性の完全復帰にはメーカー修理が必須となっております。
ムーブメント側から水入りしていましたが、幸いなことに文字盤や針、ムーブメントの見栄えに関する範囲に劣化や錆の痕跡は見られず思いのほかダメージは少ないと思いながら分解していたところ、時計の心臓部のパーツの一つであるアンクルが再利用不可のレベルで錆びていました(画像3・4)。
時計内部のパーツは強度や摩耗への耐性の点から軸は鉄(炭素鋼)、歯車は真鍮などで作られております。(外装のネジは錆づらいステンレススチールや貴金属など腐食に強い素材です)
また歯車のホゾ(軸)を受ける穴石は摩擦抵抗を減らす目的と潤滑油を保持しやすくする構造のため、いったん水分が入ると溜まりやすい条件が整ってしまいます。今回は油を注していないことが逆に水分だけを留める結果となりアンクルのホゾ(軸)が完全に錆びてしまい、ホゾの直径が減るほどに磨いたとしても取り切ることは不可能で尚且つ洗浄して使用しても抵抗となり動作が不安定になってしまいます。(画像4)。
アンクルは心臓部のパーツで繊細な動作が求められるため交換が必要と判断しました。その他のパーツは再利用可能な状態で、動作に影響のない部分は完全に錆を除去。状態の確認・洗浄し組み立て直したところ問題なく動作する状態に修理できました。
今回のお修理料金はオーバーホール34,000円、アンクル交換9,000円、ガラスパッキン補修5,000円、その他ケース、パーツ錆落とし5,000円 合計53,000円(非防水扱い)となりました。
(針・文字盤は洗浄できないため、一度濡れてしまった箇所は将来的な劣化で水滴痕などが目立つ可能性がある状態です。)
水入りや湿気入り、ガラス内部の曇りなどは処置が早ければ早いほど錆のダメージを軽減することができます。
軽度の湿気入りは気温差で曇りが消えて直ったように見えるため軽く考えてしまいがちですが、想定外の高額修理につながることもありますのでできるだけ早めの修理をおすすめしております。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。