セイコー キングセイコー オーバーホール

腕時計修理内容

ブランド名 セイコー
モデル名 キングセイコー
型番 Ref.SDKS019
修理内容 オーバーホール
修理料金 ¥30,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2~3週間、ご了承いただいてから作業6~8週間
症状タグ

セイコー キングセイコー オーバーホール

  • セイコー キングセイコー 今回ご紹介する修理事例は、キングセイコー SDK019のオーバーホールです。

    今回ご紹介する修理事例は、キングセイコー SDK019のオーバーホールです。

  • セイコー キングセイコー 搭載されているムーブメントはCal.6R55Aです(ローターは外した状態)。

    搭載されているムーブメントはCal.6R55Aです(ローターは外した状態)。

  • セイコー キングセイコー ケースからムーブメントを取り出し、針と文字盤、そしてカレンダー周りのパーツをいくつか外した文字盤側の状態がこちらです。

    ケースからムーブメントを取り出し、針と文字盤、そしてカレンダー周りのパーツをいくつか外した文字盤側の状態がこちらです。

  • セイコー キングセイコー 自動巻き受けを外すと、セイコーの自動巻きムーブメントの代名詞ともいえるマジックレバー機構がはっきりと見えます。

    自動巻き受けを外すと、セイコーの自動巻きムーブメントの代名詞ともいえるマジックレバー機構がはっきりと見えます。

担当者コメントと修理のポイント

今回ご紹介する修理事例は、キングセイコー SDK019のオーバーホールです(画像1)。
2022年のブランド復活以降、KSK、VANAC、KS1969の3モデルをベースに多彩なバリエーションが展開されていますが、こちらは2代目キングセイコーのデザインソースを受け継ぐ人気の「KSK」シリーズの1本です。

当店の渋谷本店にてお買取りさせていただいた後、店頭へ並ぶ前の事前メンテナンスとして、修理センター渋谷が依頼をうけました。
お預かり時のコンディションは外装・内部ともにご使用年数相応といった状態でしたが、測定機にかけると少し精度のブレが大きくなっていました。お客様に販売した後も長く安心してご愛用いただけるよう、しっかりとオーバーホールを行っていきます。

まずは裏蓋を開けて内部を確認します。搭載されているムーブメントはCal.6R55Aです(画像2・※ローターは外した状態です)。
約72時間というロングパワーリザーブを備えた、非常に実用性が高く使い勝手の良い機械です。受け板に施された簡素なヘアライン仕上げが実用時計然とした雰囲気を醸し出していますね。

さっそく精度のブレの原因を探るべく分解を進めていきます。ケースからムーブメントを取り出し、針と文字盤、そしてカレンダー周りのパーツをいくつか外した文字盤側の状態がこちらです(画像3)。
ここで少し注目していただきたいのが、赤丸で囲った2つのパーツです。黒い歯車が「日送り車」、白い歯車が「日早送り車」なのですが、実はどちらも樹脂で作られています。
スイス製などの舶来時計では、ムーブメント内部に樹脂パーツが使われることは極めて稀ですが、国産時計では意外とよく見かける仕様です。製造コストの削減はもちろん、日送り禁止時間帯の操作時に破損を防ぐ目的や、樹脂特有の弾力(バネ特性)を活かすなど、採用に至った理由は様々考えられます。個人的にムーブメントの審美性を第一に追求する傾向が強い舶来時計と、徹底して実用性を求め続ける国産時計といった印象があり、両者の時計作りの哲学の違いが、こうしたパーツ選びにわかりやすく表れていて非常に興味深いポイントではないでしょうか。

文字盤側を終えて、裏蓋側の分解へと移ります。
自動巻き機構の土台となる「自動巻き受け」を外すと、セイコーの自動巻きムーブメントの代名詞ともいえる『マジックレバー機構』がはっきりと見えます(画像4)。
左側の歯車が右回転すると、取り付けられた爪の片方が右の歯車を引っ張り、逆に左回転するともう一方の爪が歯車を押し込む構造になっています。これにより、着用者の腕の動きによってローターが左右どちらに回転しても、無駄なくゼンマイを巻き上げることができる大変優れた仕組みです。

その後、全てのパーツを丁寧に取り外して一つひとつ点検を行いましたが、事前の予想通り、摩耗によるパーツ交換や再調整が必須となるような大きなダメージは見当たりませんでした。精度のブレが生じていた原因は、一部の潤滑油が経年により劣化していたことだったようです。
すべてのパーツを綺麗に洗浄し、新しい油を適量注油しながら慎重に組み上げてると実測のランニングテストにて良好な精度が出ていることを確認できました。この後ケースの外装仕上げを終えましたら、いよいよ渋谷本店の店頭に並ぶ予定です。

宝石広場 修理センター渋谷では、販売前のメンテナンスだけでなく、お客様の大切な時計の修理・オーバーホールも随時承っております。
今回ご紹介したキングセイコーの3針モデルをお客様からお預かりした場合、オーバーホール基本料金は¥30,000~にてご案内しております。
配送での修理をご希望の場合は、こちらの当店ホームページより無料の宅配キットをお求めになれますので、どうぞお気軽にお声がけくださいませ。

セイコー その他 (中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)

セイコー(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ

時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。