ブライトリング ダトラ オーバーホール

担当者コメントと修理のポイント

今回ご紹介するのは、ブライトリング「Ref.2031 ダトラ」（画像1）です。
手巻きの2カウンタークロノグラフで、ストップウォッチ機能を担う針がオレンジに塗装され名前の由来であるデイト表示が6時位置にあり､視認性と操作性を兼ね備えた70年代独特のデザインです。

本モデルにはヴァルジュー製クロノグラフムーブメント「Cal.7734」（画像2）が搭載されています。
構造は古典的なクロノグラフの定石である水平クラッチを備えたカム方式でニッケル製テンプなど､今はなきヴァルジュー製であることからヴィンテージらしい風格を感じられます。

こちらのダトラは、宝石広場 渋谷本店にてお買取り後、修理センター渋谷にてメンテナンスを実施いたしました。
外観および基本的な動作に大きな問題はありませんでしたが、内部の汚れや油切れが見られたため、オーバーホールを行います。

針・文字盤を取り外した状態がこちら（画像3）。
この時代ではまだ日付の早送り機構がないのが一般的で裏周り周辺の構造も非常にシンプルです。

続いてムーブメントの輪列側へと作業を進めます。
クロノグラフ受けを外したところ（画像4）では、摩耗などのダメージは見られず、各パーツも再使用可能な状態でした。
また、油の痕跡からも過去に何度かメンテナンスが施されていたことが確認できました。

全パーツを分解・洗浄後、再組立・注油・精度調整を経て、無事にオーバーホールが完了しました。
動作も安定し、クロノグラフ機能も問題なく作動しています。

今回のようなブライトリング ダトラのオーバーホール基本料金は￥45,000～（パーツ代別）となります。
また、オーバーホールと同時に外装仕上げをご希望の場合は、＋￥12,000のセット料金にて承っております。

長期間メンテナンスを行っていないとパーツの摩耗が進行し､交換が必要となってしまうことも少なくありません｡
ヴィンテージモデルは生産から年数が経過しており､パーツがほとんど流通していないため､入手が難しく､修理が出来なくなってしまう可能性もあります｡大切な時計を長く使い続けるためにも、定期的なオーバーホールをおすすめいたします。
大切な時計を長く良好なコンディションでご愛用いただくために、しばらくメンテナンスを行っていない心当たりのある方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、お客様の時計の状態を丁寧に診断し、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。大切な一本を安心してお任せいただけるよう、万全のサポート体制でお待ちしております。

配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください｡