ゼニス エリート ウルトラシン オーバーホール
腕時計修理内容
| ブランド名 | ゼニス |
| モデル名 | エリート ウルトラシン |
| 型番 | 03.2010.681/11.C493 |
| 修理内容 | オーバーホール |
| 修理料金 | ¥45,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
| 修理時間 | 見積2~3週、オーバーホール作業期間1~1.5ヵ月 |
| 症状タグ | 定期メンテナンス油切れ油劣化 |
シンプルな日付無しスモールセコンドの時計
針・文字盤を外したムーブメント
裏蓋を外したムーブメント全体図
1つの受け(プレート)に手巻きと自動巻の機構が収まっている
ゼニス エリート ウルトラシン(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
ゼニス エリート ウルトラシン(新品)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ
接客と見積、修理作業を担当。宝石広場在籍15年以上。
居酒屋一人呑み歴も15年以上。
店頭での販売、修理作業、その他の経験を活かし分かりやすいご案内を心がけています。
何かございましたらお気軽にお問合せください。

担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介するのは、ゼニス エリート ウルトラシン 03.2010.681/11.C493 の修理事例です。
こちらは当店にてお買取りさせていただいた後、販売前のメンテナンスとして「宝石広場 時計修理センター渋谷」にて整備を行いました。
ゼニスのムーブメントといえば「エル・プリメロ」が有名ですが、今回オーバーホールを行った「エリート」ムーブメントはETAなどの汎用ムーブメントを使用していた時代から脱却し、ゼニスが完全内製化を目指して開発した3針ムーブメントと言われています。
当時から汎用3針ムーブメントの代表格であったETA2892と設計思想が近いと見られており、ムーブメントの外径もほぼ同等で厚みに関してはエリートの方がわずかに薄く作られています。
どちらも自動巻3針ムーブメントの中では薄型であることから、後に付加機能を追加するベースムーブメントとして用いられることが多い点も共通しています。
今回メンテナンスを行ったエリート ウルトラシンは、その中でもカレンダー表示すら持たない、非常にシンプルな構成のモデルです。(画像1)
針と文字盤を取り外した状態を確認すると、その簡潔さは一目瞭然でした。
一般的なETAなどの汎用ムーブメントでは、たとえカレンダー機構を外したとしても同一ムーブメントをベースにしているためカレンダー用パーツが収まる溝や軸穴が地板上に残ります。
ゼニスの自社ムーブメント「エリート」ではそもそもカレンダー用の溝が設けられておらず、地板全体がフラットな形状となっています。(画像2)
これはカレンダー無し仕様専用に地板そのものを新たに設計・製作していることを意味し、しっかりとコストをかけたムーブメント作りが行われている証と言えるでしょう。
今回は油切れによる動作不良が見られたためオーバーホールが必要な状態でした。
エリートムーブメントは輪列構成も非常にシンプルで薄型化を実現するために自動巻機構も同一の受け(プレート)内に収めるなど、随所に工夫が感じられました。(画像3.画像4)
分解を進めながら各パーツの摩耗状態を確認した結果、幸いにも部品交換は不要で、オーバーホール作業のみで対応することができました。
各パーツの工作精度が高いためか部品の収まりも良く、組み立て作業も非常にスムーズに行えたのが印象的です。
なお、エリートは自社ムーブメントであるため、万が一パーツ交換が必要な場合には部品単体での入手が困難となり、メーカー修理が必須となる点には注意が必要です。
オーバーホール完了後には外装仕上げも施し整備完了となりました。
お客様からお預かりの場合は修理料金が基本料金33,000円となり、
オーバーホールと合わせて外装仕上もご希望の場合はセット料金で+12,000円ですので合計45,000円となります。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。