ロレックス デイデイトⅡ オーバーホール・外装仕上げ・パッキン交換
中古 619682001 218239 デイデイトII|ロレックス|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
ロレックス デイデイト (中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介する修理事例はロレックスのデイデイトⅡ ref.218239のオーバーホール・外装仕上げです(画像1)。モデル名の通り12時位置にフルスペルの曜日表示を搭載し、ステンレスモデルが存在しない最上級の素材のみで展開されるデイデイトシリーズ。その中でも2008年~2015年に生産されたケースが41mmと大型で圧倒的な存在感を誇るモデルです。既に修理を終えてこちらとページ下部のリンクにて販売しておりますので宜しければご覧ください。
こちらのデイデイトは2010年に当店で新品販売したものを渋谷本店にてお買取りし、宝石広場 時計修理センター渋谷が販売前のメンテナンスの依頼を受けた一本です。お客様からは一度もオーバーホールを行っていないと伺っていましたので、その想定で作業を開始しました。
ご使用年数から受ける印象通り外装には全体的に汚れが付着し、多くの傷や打痕もありました。内部の状態を確認するためリューズ操作を行うとグリス切れで動きが渋いことを差し引いても手巻きに違和感がありましたので、巻上げ関連のパーツが交換になる可能性も推測されました。
デイデイトⅡと同時期に製造が開始されたムーブメントのCal.3156が搭載されています(画像2)。Cal.3135との大きな違いは曜日表示の追加で、画像はありませんが針と文字盤を外すと大きな曜日のディスクでムーブメントの多くが覆われて見えない様になっています。同時期に販売されていたデイデイト ref.1182●●に搭載されているCal.3155と比べると耐震装置がキフ・ウルトラフレックスからパラフレックス・ショックアブソーバーへ変更されています(画像3)。
余談ですがCal.3155のヒゲゼンマイは従来のニヴァロックス製から途中でブルーパラクロム製に変更されましたが、ケースとムーブの両方とも型番に変更はなく、メーカーで修理を行うと修理内容によってはプルーパラクロム製に交換されることもありました。そのためヒゲゼンマイにどちらのタイプが組み込まれているかは実際に見るまでわかりません。もしご自身の時計のヒゲゼンマイにどちらのタイプが取付けられているかご興味がある方は、オーバーホールご依頼時にお声がけください。
話を今回のデイデイトⅡに戻します。手巻きに違和感がありましたので自動巻き機構の裏側を見たところローター真をはじめとする軸の油は劣化・枯渇していました(画像4)。見た目から交換が必要かの判別が難しかったため、本格的にオーバーホールを始める前に軽く洗浄・注油を行い組み立てると動きの渋かった自動巻き機構は軽く動くようになり手巻きの違和感もなくなりました。その後で慎重にパーツの状態を確認しつつ分解を終えても交換が必要なほど摩耗したパーツはなく、洗浄・組立て・注油を進めると良好な精度で動作を確認できました。今は外装の仕上げを行いこちらで販売しておりますので宜しければご覧ください。
今回のロレックス デイデイトⅡをお客様からお預かりした場合はオーバーホールが¥35,000~、オーバーホールとセットで外装仕上をした場合+¥17,000にてご依頼を承っております。配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。
耐久性が高いとされるロレックスでも経年による劣化や摩耗はあります。ゼンマイを巻けば使えるからとついつい長期間メンテナンスをせずに使い続ける方も多くいらっしゃいますが、いよいよ動かなくなった時にメンテナンスを行おうとしたらオーバーホールだけでは完調にならず交換パーツが多く必要になったり、当店で入手困難なパーツが判明して高額なメーカー修理しか方法がない場合も珍しくありません。長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方は致命傷になる前にぜひ当店にご相談ください。