チューダー プリンスオイスターデイトサブマリーナー オーバーホール、仕上、パッキン・ゼンマイ・切替車交換
腕時計修理内容
ブランド名 | チューダー |
モデル名 | プリンスオイスターデイトサブマリーナー |
型番 | ref.79090 |
修理内容 | オーバーホール、仕上、パッキン・ゼンマイ・切替車交換 |
修理料金 | ¥44,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答いただきましてから作業6週間 |
症状タグ | 止まる油切れ部品劣化/破損 |
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修理後のお時計
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Cal.2824-2
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赤丸のところに汚れがあります。
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自動巻き伝え車の軸から出たようです。
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
チューダーのオーバーホールを修理キットでご依頼頂きました。
2018年10月、長い沈黙を破り日本に正規代理店での取り扱いを「チューダー 」として開始しました。
既に2年以上経ちますが、チュードルという呼び方に慣れている方も多いのではないでしょうか。
こちらプリンス オイスターデイト サブマリーナーref.79090。文字盤は盾ロゴ、ベンツ針に人気のロレックスリューズのモデルです。
個人的にチューダーの中でも好きなモデルでして、これまで数多く修理した記憶があります。
ムーブメントはETA Cal.2824-2です(画像2)。
全体に摩耗粉らしき黒い汚れが散っていました。おそらく歯車や地板などの摩耗粉がケース内に散り、穴石の油に付着して油の劣化を早めてしまい、その劣化した油で動いたために軸はさらに摩耗し...と悪循環が起きていたのではと思います(画像3)。
汚れの発生源はすぐに見つかりました(画像4)。
自動巻き機構を取り外したところ、輪列受けにある自動巻き伝え車の"ホゾ穴"周りに丸く黒い汚れがこびりついていました。伝え車と擦れたためでしょう、汚れを除去してみたら梨地仕上の部品の穴周辺だけが光っていました。
これはETAのCal.2824系でよく見られる症状です。
この自動巻き伝え車は文字通りローターの回転(自動巻き機構の力)を香箱へ伝える歯車です。画像4で見える銅色の歯車が角穴車で、角穴車の留めネジは香箱芯、つまりゼンマイにつながっています。
動力源のゼンマイに直接つながる歯車ですので、自動巻き伝え車にも当然大きな力がかかります。大きな力のかかる伝え車を受けるホゾ穴が地板の穴そのままの為、それぞれの歯車の傾きによる擦れで摩擦があり汚れが出てしまう原因になるようです。
汚れの原因となった自動巻き伝え車と輪列受けに交換が必要なほどの摩耗はありませんでしたが、
パッキン・ゼンマイ・切替車は劣化していましたのでオーバーホールの際に交換し、一緒にご依頼いただいておりました外装の仕上げ直しも行いましてお渡し出来ました。
R様 ご依頼ありがとうございました。