ジン ラリークロノグラフ オーバーホール、外装仕上げ
腕時計修理内容
| ブランド名 | ジン |
| モデル名 | ラリークロノグラフ |
| 型番 | ref.917.GR |
| 修理内容 | オーバーホール、外装仕上げ |
| 修理料金 | ¥55,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
| 修理時間 | お見積り3週間、ご返答を頂きましてから作業1,5ヶ月 |
| 症状タグ | 定期メンテナンス油劣化 |
画像1 今回ご紹介する修理事例は、クラシカルな雰囲気を持つ ジン ラリークロノグラフ 917のオーバーホールです。
画像2 針と文字盤を外すと、矢印で指した左側のパワーリザーブ機構を除き構造はほぼ同じです。
画像3 12時間積算車規制レバーがある位置にパワーリザーブ機構が追加されているため、赤矢印で指した規制レバーの形状と取り付け位置が変更されています。
画像4 全てのパーツを点検しつつ分解し終えたところです。
917.GR ラリー クロノグラフ 中古 | ジン|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
ジン その他(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ
時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。

担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介する修理事例は、クラシカルな雰囲気を持つ ジン ラリークロノグラフ 917.GRのオーバーホールです(画像1)。
ダイヤル外周にはカウントダウン式のインナーベゼルが装備されており4時位置のリューズで操作できます。赤いインデックスはラリーの残り15分をイメージさせます。また時計機能のリューズは手首に干渉しないよう、一般的な3時位置ではなく9時位置に変更されているのが特徴です。すでに販売済みですがこちらで販売していましたので、ぜひ商品ページもあわせてご覧ください。
こちらの時計は渋谷本店でお買い戻し後、販売前のメンテナンスとして「宝石広場 時計修理センター渋谷」にて整備を行いました。当店で前回オーバーホールを実施したのは2018年。メーカーや他店での修理履歴がなければ、経過年数からみても内部の油が経年劣化していると考えられます。状態の確認を進めるとリューズやプッシュボタンはグリス切れにより操作が重く、シースルーバック越しに確認するとムーブメントは油の減少が見られたため、オーバーホールを行うことにしました。
搭載ムーブメントは ETA Cal.7750を180°回転させパワーリザーブ機構を追加したものです。そのためリューズやインダイヤルの配置が通常のCal.7750と異なるのは改造によるものではありません。180°回転させているため当然ですがスタート・ストップボタンがリューズの下側になり、リセットボタンが上側になります。針と文字盤を外すと矢印で指したパワーリザーブ機構を除き構造はCal.7750とほぼ同じで(画像2)、カレンダー類と受けを取り外すと一部のパーツに違いが確認できます。12時間積算車規制レバーがある位置にパワーリザーブ機構が追加されているため、矢印で指した規制レバーの形状と取り付け位置が変更されています(画像3)。
全てのパーツを点検しながら分解を終えた段階がこちら(画像4)。幸い油の劣化以外は不調がなく、交換が必要なパーツはありませんでした。劣化した油を丁寧に洗浄し、再組立て後に適量の油を注油したところ、計測値・実測値ともに良好な結果を確認できました。現在は外装仕上げも完了し、店頭に並んだのちすでに販売済みです。
今回と同様の作業をお客様からお預かりした場合、オーバーホール ¥43,000、外装仕上げ ¥12,000、合計 ¥55,000(税込) にて承っております。
宅配でのご依頼をご希望の方には、こちらから専用の「宅配キット」をお送りいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
時計は使用していなくても、時間の経過とともに内部の油は劣化・減少します。長くご愛用いただくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。放置してしまうと破損につながる恐れもありますが、早めにオーバーホールを行えば、今回のようにパーツ交換なしで再生できる場合もあります。
長期間メンテナンスをされていない方は、ぜひ一度当店へご相談ください。