パテック・フィリップ ワールドタイム オーバーホール・仕上
腕時計修理内容
ブランド名 | パテック・フィリップ |
モデル名 | ワールドタイム |
型番 | ref.5110G-001 |
修理内容 | オーバーホール・仕上 |
修理料金 | ¥63000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積3週間、お返事を頂いてから作業が1.5か月。 |
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修理後・正面
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修理後・よこから
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修理後・ムーブメント
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介するのはこちら。
パテック・フィリップ ワールドタイム ref.5110G-001
です。
10数年放置(…!)されていたものを、
また使いたいから、という事でご来店頂きました。
10時位置のボタンを1プッシュすることで
文字盤外周にある各都市の時刻にあわせられる
ワールドタイムウォッチです。
この文字盤外周に都市名、内側のリングで時間を表示する
デザインは1930年代(だったかな?)に
ルイ・コティエさんって人が考案したもの。
見た目に分かりやすく、操作も単純明快、
なんとなく都市の位置関係までわかるっていう
日本から1歩も出たことない人も
わくわくさせるデザインなのです。
ムーブメントはCal.240/188
Cal.240をベースにワールドタイムモジュールを
組み込んであります。
自動巻きなのでローターが付いていますが、
薄型化するためにマイクロローターです。
他メーカーでも同様の自動巻き機構を作っていますが、
パテックは群を抜いて安定感があるイメージです。
オフセンターのローター、小型化/軽量化したことで
当然ながら巻上げ効率は通常の自動巻きと比べて
落ちています。
落ちているはずなんですが、それでも他メーカーに比べて
”自動巻き効率が落ちた”とか
”腕に付けているのに巻き上げなくなった”
なんて声が少ないのはさすがパテックですね。
裏蓋シースルーで超高級品って考えると
相変わらず作業するのは怖いのですが(*´Д`)
きちんと、ひとつづつ。
確実な作業を心がければ
(たまーにムーブごとの微妙なクセがありますけどね)
たいていの個体はしっかりと動き出してくれます。
今回も長年放置されていた、という割に部品交換もなく
オーバーホールと仕上にてお客様へお渡し
する事が出来ました。