マリーンダイバー オーバーホール、切替車・2番車・4番車交換

腕時計修理内容

ブランド名 ユリスナルダン
モデル名 マリーンダイバー
型番 ref.263-10-7M
修理内容 オーバーホール、切替車・2番車・4番車交換
修理料金 ¥38,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2週間、ご返答いただきましてから作業5週間
症状タグ

ユリスナルダン マリーンダイバー オーバーホール、切替車・2番車・4番車交換

  • ユリスナルダン マリーンダイバー 修理後のお時計です

    修理後のお時計です

  • ユリスナルダン マリーンダイバー ムーブメントは Cal.UN026-208444(ベースはETA Cal.2892A2)です。

    ムーブメントは Cal.UN026-208444(ベースはETA Cal.2892A2)です。

  • ユリスナルダン マリーンダイバー ローターにはメーカーロゴが彫られています。

    ローターにはメーカーロゴが彫られています。

担当者コメントと修理のポイント

購入から6年ほど経過し、遅れるようになってきたからと渋谷店へメンテナンスのご依頼をいただきました。

時計はユリスナルダンのマリーンダイバーです(画像1)。
経過年数に対して外装の傷が少なかったためご使用状況を伺うと、ほとんど身につけることはなく普段はワインダー内で保管されていたそうです。いざ腕につけてご使用されると大幅に時間が遅れるとのことでした。

普段はワインダーを動作させて保管していると忘れがちですが、時計は休むことなく常に使用され続けていたということで、しかも6年間毎日ですので油の経年劣化と乾燥は当然として軸の摩耗もあるだろうと予想しました。
簡単な動作チェックをするためリューズ操作をしてみると操作感触に違和感がありました。そこで原因が内部機構なのかリューズパッキンなのか調べるため内部機構の影響が少ない手巻きポジションで巻上げとは逆方向に回してもゴムが突っ張る特徴的な感触があり非常に操作が重くなっていましたので、リューズパッキンのグリス切れか劣化していることは特定できました。また手巻き操作をしてみるとグリス切れか劣化による操作の重さを差し引いても手巻きの感触は重くなっており、力のかけ方によっては内部でローターが連れ周りをしている感触があることから切替車の交換が必要となりそうでした。

ムーブメントはCal.UN026-208444です(画像2、3)。
ETAのCal.2892A2をベースにして機能の追加や表示方法の変更をされたムーブメントです。
12時位置にはゼンマイの巻き上げ残量を表示するパワーリザーブ機構が追加されています(表示が右側いっぱいの時に満タンです)。自動巻き時計はゼンマイの巻き終わりがスリップする機構を持っていますので、音や感触に注意深く操作することで満タンになったかわかりますが時計を見ただけではわかりません。それを可視化したのがパワーリザーブ表示です。
現在の針の位置でゼンマイの残量がわかるので運動量が足りなければ手巻きをして補ったり、腕につける時間を増やすなどゼンマイをためる行動を起こしやすく自動巻きでこの機能が付いているととても便利です。更に目盛りが十分な位置を指していても大きく遅れる、止まっているなどの症状に気づきやすくメンテナンスの指針にすることもできます。
秒針はセンターセコンドから6時位置のスモールセコンドへ変更され、日付けもスモセコ内に配置されています。
ムーブメント全体には装飾がなされローターには深めの彫り込みで大きくユリスナルダンのロゴもあります。

見積もり時にマリーンダイバーの裏蓋を開けた時点で摩耗カスがムーブメント全体に散っていたため、想定していたよりもパーツ交換が発生するかもしれないと考え慎重に分解しながらパーツを確認しました。想定していた切替車のほかに2番車と4番車も摩耗していることがわかり、まずは再利用できるか研磨してみました。仮組みをしてみると軸の摩耗が大きいためテンプの振り角は低く姿勢差も大きく出ることがわかり交換が必要と判断しました。パーツの在庫状況を確認し、お客様への見積りを作成。お見積り内容と状況説明に快くご了承頂けましたので早速作業を開始しました。

改めて1点ずつ洗浄を行い、パーツ交換と組み立て・注油・精度の調整をしたところ計測値も良好な数値に回復しました。実測テストでも日差+5秒ほどと安定した精度に収まり約48時間の持続時間も確認できましたので、オーバーホールと切替車・2番車・4番車交換にてお渡しいたしました。


M様 ご依頼ありがとうございました。