ブライトリング スーパーオーシャン44 オーバーホール、外装仕上

担当者コメントと修理のポイント

6年ほどご使用されたブライトリングが手巻き出来ないと修理のご依頼を頂きました。

拝見してみるとなるほど手巻きだけが異常に重く、無理に操作をすると壊れてしまいそうな感触がしました。
おおよそ見当を付けたのちお預かりいたしまして、まずは裏蓋を開けてみました（写真2）。

予想通りETA Cal.2824系ですね。ほぼ同設計のSERITA　Cal.200系もそうなのですが、このムーブメントは自動巻き周りに似た症状が起きやすいです。それは時計自体や部品が新しいか・古いかに関係なく切替車方式をとっている為で、ちょっとした衝撃/振動/油の劣化等が影響してしまうようです。

各メーカーの自社ムーブメントにIWCのようなマジックレバー方式で巻き上げを行うメーカーが多いのは、ETAから自社ムーブメントに移行する際、この切替車方式が難しかったのではないかと考えています。

さて今回お預かりしましたブライトリングは、本来手巻したときにから回るはずの切替車が機能せずにローターまで一緒に回っていました。設計時で想定していないものを回しているせいで非常に重くなっていたのですね。

見積の為軽く洗浄をしてみると部品に摩耗はなく、油の劣化か油流れが原因でうまく機能しなくなっていたようです。
その後お預かり時にご案内した通りオーバーホールと外装仕上のみの部品交換なしで対応できました。


ご依頼ありがとうございました。