IWC インヂュニアオートマチック オーバーホール・仕上
腕時計修理内容
ブランド名 | IWC |
モデル名 | インヂュニアオートマチック |
型番 | ref.IW322801 |
修理内容 | オーバーホール・仕上 |
修理料金 | ¥46,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積3週間、お返事を頂いてから作業が1.5か月。 |
-
正面から
-
ななめから
-
うらがわ
-
わかりずらい?頑張ってください。
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
3~4年ほど前に当店でご購入いただいた時計です。
ずっと快適に使っていたそうですが、止まりやすくなってきたって事でお預かりしました。
巻上げ機構自体はそこそこ動作しているようですが、ご使用された月日の分だけ油が劣化がしているようです。
テンプの振り角がずいぶんと落ちていて、どうも精度も安定していませんでした。
パッと計測器にかけるかぎり、大きな不具合こそなさそうではありますが…
部品によっては当店工房ではどうにも入手できないので、そこは慎重に分解しつつのお見積です。
それにしてもペラトン機構、いいですねぇ。
今でこそ似たような巻上げ機構のムーブメントは他メーカーにもありますが、よく機構を考え付くもんだと。
ではごくごく簡単(かつ突然)ですがペラトン機構についておおざっぱな説明です。
4番目の写真で
①ローターが回って
②巻上げ爪が付いたプレートが動いて
③爪が巻上げ車を回転させる。
ローターの回転中心部はハート型のカムがついているので凹凸で②のプレートは振られるようにして動きます※。
②って書いたあたりの軸を中心に横に揺れる動きをイメージしてください。
動いたプレートに取り付けられた爪③が細かく動いて少しずつ巻上げ車を右回転させる。
※※図では上下の楕円ですが、むしろ実際は横です。
っていうか振り子のように動きます。
すみません書き間違いました。
図がわかりづらい?いやいやWinのペイントでは限界です。
がんばって作ったので生暖かい目でみて下さい。
この爪、ずっと胴で出来ていたんですが(たぶん、色的に胴)近年になってセラミック製の物が出てきました。
巻上げ車に塗るグリースがちょいちょい悪さして不具合原因になってたので、油不要のセラミックにしたんでしょう。
きっと。たぶん。
・・・閑話休題・・・🐣
今回ご依頼のお時計は止まりやすいって事でしたがたぶんおそらくきっと、輪列周りの油劣化だと思ってました
が、
もしかして巻上げ車のグリスが・・・?
いやいや、油劣化があるのは間違いありませんでしたし、1か所だけですべての調子が決まる事は稀です。
いろんな事が絡まって結果がでるモンなのでどれが決定的な原因だってのは中々言い切れるものでもないのです。
(´-`).。oOまぁ一因ではあるかもですが
全体的な油の劣化が原因で歯車の動きが悪くなっていたものの、部品の摩耗はなくオーバーホールと
合わせてご依頼の外装仕上のみでお渡しすることが出来ました(∩´∀`)∩
ご依頼ありがとうございました(´∀`*)