ロンジン コンクエストヘリテージ オーバーホール

腕時計修理内容

ブランド名 ロンジン
モデル名 コンクエストヘリテージ
型番 ref.L1.611.6.78.2
修理内容 オーバーホール
修理料金 ¥26,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2週間、ご返答いただきましてから作業5週間
症状タグ

ロンジン コンクエストヘリテージ オーバーホール

  • ロンジン コンクエストヘリテージ 修理後のお時計です。

    修理後のお時計です。

  • ロンジン コンクエストヘリテージ 文字盤とインデックスはドーム状に湾曲しています。

    文字盤とインデックスはドーム状に湾曲しています。

  • ロンジン コンクエストヘリテージ 裏蓋はエナメルのメダリオンで飾られています。

    裏蓋はエナメルのメダリオンで飾られています。

  • ロンジン コンクエストヘリテージ ムーブメントはCal.L.633.5(ETA Cal.2824-2)です。

    ムーブメントはCal.L.633.5(ETA Cal.2824-2)です。

担当者コメントと修理のポイント

他店でご購入されてから数年ご使用になり、遅れるようになってしまったために配送キットにて渋谷店にご依頼いただきました。

時計はロンジンのコンクエストヘリテージです(画像1)。
ヘリテージというモデル名の通り1950年代に発表されたコンクエストの復刻モデルの一つです。
特徴的なインデックスの形状を見る限りデザインの元となったのは初期のコンクエストですが、初期のコンクエストには12時位置に日付け表示がありませんでした。発表から数年経過したあとですと12時位置に日付けを表示したものもありますが、文字盤のデザインが違います。
ケースサイズも変更されて大きくなっていますので、復刻というよりもリデザインという方があっているのかもしれません。

ラウンドした風防に合わせて文字盤やインデックス、針の先端も湾曲しています(画像2)。
裏蓋は元のモデル同様浮き彫りとエナメルで装飾されています(画像3)。
浮き彫りされた波頭とオリオン座が青いエナメルで装飾されています。このデザインは元々18金モデルのみのデザインでステンレスケースは魚と水草モチーフに緑のエナメルで装飾されていました。

ムーブメントはCal.L.633.5(ETA Cal.2824-2)です(画像4)。
ETAのCal.2824-2からの変更点はローターをはじめとする装飾と、日付けを12時位置にしたため通常の3時位置のデイトディスクのプリントが違います。
汎用と大きな差がないにもかかわらずLから始まるキャリバーナンバーが与えられているのは、元々ロンジンが自社ムーブメントをLで表記していた名残でしょうか。

お預かり時点での計測値はご申告通りにひどく遅れており油は劣化して黒ずんでいましたが、リューズ操作の感触は悪くなく摩耗カスなども見られませんでした。慎重に状態を確認しつつ分解していきましたが各歯車のアガキに異常はなく軸摩耗もなかったため、遅れの原因は油の劣化によって歯車の回転抵抗が増えたことだと判断しました。
汚れた油をキレイに洗い流して組み直しと注油をしたところ少し進み気味に動くようになりました。ケーシングの後は実際に動作させて計測器と実測の精度を確認しつつ微調整し、平均で+7秒ほどと調子よく動作するようになりオーバーホールにてお渡しができました。


K様 ご依頼ありがとうございました。

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。