オメガ スピードマスター　トリプルカレンダー オーバーホール

担当者コメントと修理のポイント

ご覧いただきありがとうございます。
宝石広場　時計修理センター渋谷　藤本です。

今回担当したはお修理品はオメガ　スピードマスター　トリプルカレンダーです。（画像1）
スピードマスターには元々手巻のムーブメントが搭載されていますが、この時計はオートマチックに加えトリプルカレンダー機構を搭載した派生モデルです。

搭載されているムーブメントは1980年代から2000年代でオメガをはじめIWC、タグ・ホイヤー、ブライトリングなど数多くのメーカーが採用してきた傑作ムーブメントETA　Cal.7750に月・日・曜日・24時間計の機能を追加したCal.7751です。（画像2）
多機能なので読み取れる情報量が多く実用的で、オンでもオフでも使いやすい1本です。

こちらのスピードマスター　トリプルカレンダーは宝石広場　渋谷本店でお買取りし、販売にあたり修理センター渋谷にてメンテナンスを行いました。
製造年数は特定できませんでしたが生産終了から十年数年ほど経過しているモデルであり、この時計も長くご使用されてきた個体と推測しました。内部を目視したところ全体的な油切れに加えて広範囲に鉄粉が散っていたのでオーバーホールを行うことにしました。

点検を進めていくとローターの回転をゼンマイに伝える切替車が鉄粉の主な発生源だと特定しました。（画像3）
横から見ると上下のホゾ（軸）が大きく摩耗しているのが分かります。今回はオーバーホールと併せて交換を行いました。（画像4）

パーツを丁寧に洗浄し、ムーブメントを組み上げ、各部に注油と調整及び自動巻の巻き上げ確認を含めたランニングテスト行いオーバーホール完了です。
今回のオメガ　スピードマスター　トリプルカレンダーのお修理を承った場合、オーバーホール基本料金は￥43,000-でパーツ代は別途料金となります。オーバーホールと合わせて外装仕上もご希望の場合はセット料金で+￥20,000-です。
長期間メンテナンスを行っていない時計でもゼンマイを巻けば動作することはありますが、潤滑油の減少によりパーツの摩耗劣化が進みやすくなり精度や持続時間など機能が低下してきますので定期的なオーバーホールをお勧めしております。
当店は渋谷で長く実店舗を構え、年間6,000本の修理実績がございます。当店でご購入のお時計でなくてもオーバーホールを承っております。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。