ロレックス シードゥエラー オーバーホール、仕上、小鉄車交換
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
Ref.16600|ロレックス シードゥエラーのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
「時計を振っても動かず、針回しも出来なくなった」との事でお預かりしました。他店で購入され今回初めての内部作業依頼となります。
触ってみると針回しどころか日付の早送りも出来ませんでした。原因を探るところから見積りのスタートです。ケースから出して、針を外して文字盤を外して、日付機構外してこの状態が写真2となります。まだまだ原因が見えてきません。
裏押えを外したところで原因が判明します(写真3)
小鉄車が見るも無残な状態になっていました。
(たしか)15枚ある歯先が3枚しか残っていません。
どうやら時針&分針車の動きが渋くなって、針回しする時に小鉄車に力がかかりすぎて壊れた模様です。
止まってしまうのはその歯先が輪列に噛み込んだせいですね。とても小さな破片が転がっていました(写真4)
小鉄車以外は多少歯先の歪みなどがあっても、使用は問題なくできそうでした。
鋼で出来てる小鉄がダメで、真鍮の歯先が大丈夫というのはどういう事なんでしょうか。
製造ロットによっては熱処理があまり良くない物があったりするんでしょうか。といっても保証期間中はちゃんと保っているあたり、ダメというワケではないんでしょう。
そのほか歯車や軸は特別交換の必要ないようでした。
バラシて洗浄し、組み立て&油さしをして精度が出るようになりました。
お渡しの際に、針回しや日送りの時違和感がなかったか伺いましたが、「いつも通りに操作していたら急に動かなくなった」との事でした。
勝手に壊れる事はほぼないので、ごく小さくてもなにかしらの感触はあったはずなのですが、壊れるのを気にして始終身構えていなければわからないほどの感触です。気が付けない事のほうが多いと思います。
しっかり動くようにしてお渡しができ、外装仕上もお気に召していただけたので何よりでした。ご依頼ありがとうございました。