ロレックス シードゥエラー 修理キャンセル
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
Ref.16600|ロレックス オイスター パーペチュアルシードゥエラーのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
10数年前にご購入され、初オーバーホールの為に修理キットでご配送いただきました。
こちらのデイトジャスト、なかなかのヤレ具合です。
パッとわかる範囲で2点。
まずベゼルは固着して回らず、ブレスのガタもかなりあります。
ベゼルとケース間の微妙な隙間から汚れが入ってたまり、汚れが錆を呼び込んだり詰まって回せなくなったりしてしまいます。
たいていは洗浄してやれば回せるようになりますが、内部バネが劣化して折れてしまう事もしばしば...
次にブレスのガタですね。
ブレスレットの各駒をつないでいるピン・ネジが摩耗してくると駒間の隙間は大きくなり(写真3)、またその分横ガタも出てきてしまいます。今回かなりガタが大きかったので、駒ネジを外したのが(写真4)。元々円柱だったネジが半分ほど摩耗してしまっていました。このピンセットでつまんでいる部分、これが削れてしまった箇所ですね。
ここまで摩耗してしまいますと、仕上や洗浄の際にピンやネジが折れてしまう事がある為、当店では外装仕上や洗浄をお断りさせて頂く事があります。
直すにはもうメーカーで駒ごと交換する事となってしまいます。摩耗はブレス全体になりますので、相応に高額に...
今あげた2点はメンテナンスや外装の洗浄を行っていれば避けられますので、定期的なチェックは本当にお勧めです。
さて内部状態です。
裏蓋をあけて目につく大量の摩耗カス。写真2は自動巻き機構裏側、パラパラと点々が付いているのが分かりますでしょうか。これでも写真を撮る前にある程度摩耗カスを除去してしまっているのですが、それでもなお大量に付着しています。
この時点でだいぶ料金がかかってしまう事が分かりましたので、おおよそ最低限かかってしまう料金をお伝えした所キャンセルとなりました。
ご依頼ありがとうございました。