セカンドダイバー オーバーホール、外装仕上 公開日:2022/01/07 最終更新日:2022/01/18 腕時計修理内容 ブランド名 セイコー モデル名 セカンドダイバー 型番 ref.6105-8110 修理内容 オーバーホール、外装仕上 修理料金 ¥40,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 修理時間 お見積り2週間、ご返答を頂きましてから作業5週間 症状タグ 定期メンテナンス油切れ お時計の正面 リューズはケースから飛び出したピンにひっかけることでロックできます。 Cal.6105B ムーブメントには手巻き機能がありません。 担当者コメントと修理のポイント 新年あけましておめでとうございます。 2022年もよりよいご提案やお修理ができるよう精一杯務めてまいります。 今年最初の修理事例はセイコー・セカンドダイバーのオリジナルモデルです(画像1)。 2019年に復刻モデルのSBDX031が発売されましたのでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。セカンドダイバーは前・中・後期と区別されていましてリファレンス6105-8110は70年以降に作成された中・後期のモデルです。 販売期間を調べてみたところ76年に終売しているのですが、シリアルから読み取れる製造年は76年2月と最後の最後に製造された個体と思われます。 リューズのロック方法も特徴の一つです(画像2)。 セカンドダイバーの中期から追加された機能でリューズの溝にケースから延びたピン(画像2赤丸部分)をひっかけることでロックができます。 現行品のダイバーズ時計はほとんどネジ込み式のリューズを採用していますので慣れない方式に少し不安を感じてしまいますが、販売当時の防水性能は150mもありました。 ※ヴィンテージ品ですので新品当時の性能はありません。ご使用時には湿気・水気にはくれぐれもご注意ください。 こちらは渋谷店でお買取をさせて頂きましたあと販売前のメンテナンスのため修理へ回ってきたお時計です。 簡単に動作の確認をしてみましたがリューズ操作や巻上げなど動作は悪くありませんでした。 ムーブメントはCal.6105Bが搭載されています(画像3)。 他の国産系機械式と同様にCal.6105Bも手巻き機構がなく、マジックレバー機構を取り外すと角穴車のみが露出します(画像4)。 これは販売当時はまだ高級だった舶来時計に国産時計が価格で対抗するため、設計段階からパーツ構成を厳選し手巻き機構を排することでコストを抑え実用品として一般の人々の手の届く価格帯で販売する目的や、まだ珍しかった自動巻き機構をアピールするために使い勝手よりもあえて手巻き機構をなくしたことも考えられます。 内部を見てみると若干の油劣化や減少はあるものの目に見える不調は見あたりませんでしたが、製造から50年近く経過しているお時計です。どんな故障があってもおかしくはありませんので慎重に分解を行い、将来的な不調の原因となる箇所がないかいつも以上に注意深く確認しました。こちらのお時計は今まで定期的にメンテナンスをされていたらしく所々に作業跡こそ残っていましたが最初の印象通り大きな不調はなく部品交換や調整なども必要ありませんでした。 オーバーホール後のランニングテストでも年式を考慮しても良好な精度となりましたのでヴィンテージ商品らしく雰囲気を壊さない程度の軽仕上げのあと店頭にて販売予定です。 今回のダイバーをお客様からお預かりした場合オーバーホールの基本料金は31,000円(ヴィンテージモデル・状態により個別判断とパーツ代別途)、外装仕上げも一緒にご依頼される場合はオーバーホールとのセット料金で+9,000円~(傷の程度によって増加)となっております。 近年では70年代の時計もヴィンテージと呼び人気を博していますが、製造から時間の経過したお時計でもしっかりと定期整備を行うことでコレクションアイテムとしてではなく日常使いとしても維持していくことができます。お手元にメンテナンスをしていないお時計がある方はぜひ当店にご依頼ください。 私が担当しました 修理担当した時計 私が担当しました kojima_satoshi@ushouseki.xsrv.jp 03-5458-5424 HOUSEKIHIROBA 小島 宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。 時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。 1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。 是非お気軽にお問合せください。 修理担当した時計 2453-50|オメガ シーマスタープロフェッショナル By 小島 2022年6月14日 79910|チューダー ヘリテージレンジャー By 小島 2022年5月31日 4620 3101|オメガ デビル By 小島 2022年5月10日 21020.2|エベラール トラベルセトロビトレ By 小島 2022年4月19日
担当者コメントと修理のポイント
新年あけましておめでとうございます。
2022年もよりよいご提案やお修理ができるよう精一杯務めてまいります。
今年最初の修理事例はセイコー・セカンドダイバーのオリジナルモデルです(画像1)。
2019年に復刻モデルのSBDX031が発売されましたのでご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。セカンドダイバーは前・中・後期と区別されていましてリファレンス6105-8110は70年以降に作成された中・後期のモデルです。
販売期間を調べてみたところ76年に終売しているのですが、シリアルから読み取れる製造年は76年2月と最後の最後に製造された個体と思われます。
リューズのロック方法も特徴の一つです(画像2)。
セカンドダイバーの中期から追加された機能でリューズの溝にケースから延びたピン(画像2赤丸部分)をひっかけることでロックができます。
現行品のダイバーズ時計はほとんどネジ込み式のリューズを採用していますので慣れない方式に少し不安を感じてしまいますが、販売当時の防水性能は150mもありました。
※ヴィンテージ品ですので新品当時の性能はありません。ご使用時には湿気・水気にはくれぐれもご注意ください。
こちらは渋谷店でお買取をさせて頂きましたあと販売前のメンテナンスのため修理へ回ってきたお時計です。
簡単に動作の確認をしてみましたがリューズ操作や巻上げなど動作は悪くありませんでした。
ムーブメントはCal.6105Bが搭載されています(画像3)。
他の国産系機械式と同様にCal.6105Bも手巻き機構がなく、マジックレバー機構を取り外すと角穴車のみが露出します(画像4)。
これは販売当時はまだ高級だった舶来時計に国産時計が価格で対抗するため、設計段階からパーツ構成を厳選し手巻き機構を排することでコストを抑え実用品として一般の人々の手の届く価格帯で販売する目的や、まだ珍しかった自動巻き機構をアピールするために使い勝手よりもあえて手巻き機構をなくしたことも考えられます。
内部を見てみると若干の油劣化や減少はあるものの目に見える不調は見あたりませんでしたが、製造から50年近く経過しているお時計です。どんな故障があってもおかしくはありませんので慎重に分解を行い、将来的な不調の原因となる箇所がないかいつも以上に注意深く確認しました。こちらのお時計は今まで定期的にメンテナンスをされていたらしく所々に作業跡こそ残っていましたが最初の印象通り大きな不調はなく部品交換や調整なども必要ありませんでした。
オーバーホール後のランニングテストでも年式を考慮しても良好な精度となりましたのでヴィンテージ商品らしく雰囲気を壊さない程度の軽仕上げのあと店頭にて販売予定です。
今回のダイバーをお客様からお預かりした場合オーバーホールの基本料金は31,000円(ヴィンテージモデル・状態により個別判断とパーツ代別途)、外装仕上げも一緒にご依頼される場合はオーバーホールとのセット料金で+9,000円~(傷の程度によって増加)となっております。
近年では70年代の時計もヴィンテージと呼び人気を博していますが、製造から時間の経過したお時計でもしっかりと定期整備を行うことでコレクションアイテムとしてではなく日常使いとしても維持していくことができます。お手元にメンテナンスをしていないお時計がある方はぜひ当店にご依頼ください。