チューダー プリンス オイスターデイト オーバーホール・外装仕上げ

腕時計修理内容

ブランド名 チューダー
モデル名 プリンス オイスターデイト
型番 ref.72033
修理内容 オーバーホール・外装仕上げ
修理料金 ¥57,500-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り3週間、ご返答を頂きましてから作業6週間

チューダー プリンス オイスターデイト オーバーホール・外装仕上げ

  • チューダー プリンス オイスターデイト 今回ご紹介する修理事例は意外に珍しいコンビ・フル―テッドベゼルのプリンス オイスターデイトです。

    今回ご紹介する修理事例は意外に珍しいコンビ・フル―テッドベゼルのプリンス オイスターデイトです。

  • チューダー プリンス オイスターデイト 裏蓋にはロレックスの銘があります。

    裏蓋にはロレックスの銘があります。

  • チューダー プリンス オイスターデイト 搭載しているムーブメントはETA Cal.2824-2です。

    搭載しているムーブメントはETA Cal.2824-2です。

  • チューダー プリンス オイスターデイト 取り外した自動巻き機構の裏側です。

    取り外した自動巻き機構の裏側です。

担当者コメントと修理のポイント

今回ご紹介する修理事例は意外に珍しいコンビ・フル―テッドベゼルのプリンス オイスターデイトです(画像1)。
メッキですがジュビリーブレスに10Pダイヤモンド、ローマ数字ダイヤルと兄貴分のロレックス譲り。巻きブレスにロレックスリューズとヴィンテージらしい一本です。
こちらで販売しておりますので、よろしければご覧ください。

こちらのチューダー プリンスオイスターデイトは新橋店でお買取りさせて頂き、販売前のメンテナンスを時計修理センター渋谷が依頼された一本です。付属品はなにもありませんので販売日はわかりませんが、製造はシリアル番号から92年~93年頃と推測できました。まだチュードルと呼んでいた頃のモデルですね。2018年の日本上陸を機にチューダーと呼ぶようになりましたが、以前のチュードルという呼び名の方に馴染みがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
裏蓋にはロレックスの銘があります(画像2)。チューダーはロレックスのディフュージョンブランドとして始まったためオイスターケースを採用しており、裏蓋にはORIGINAL OYSTER CASE BY ROLEX GENEVAと打刻されています。その他の外観はよく似ていますが、ガラスはサイズの違う専用品が使われており全く同じというわけではありません。
ところでチューダーは製造年によって仕様に様々な違いがあります。例えば今回のプリンス オイスターデイトは文字盤に盾のロゴが入っていますが、TUDOR・盾バラ・デカバラ・小バラ・盾と変わっていることを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。リューズやバックルも製造年代により違い、特定の仕様に拘って探す方もいらっしゃるほど奥が深い世界です。
仕様違いについてはまたの機会としまして話を今回のプリンス オイスターデイトに戻します。外装は大小の打痕があり、ブレスレットは摩耗の為に伸びているものの、経過年数を考慮するとまだ十分に使用に耐えられる状態でした。
リューズ操作に違和感があり、手巻きすると重く内部で振動する感触がありましたので自動巻き機構の切替車は交換が必要と推測しました。
搭載しているムーブメントはETA Cal.2824-2です(画像3)。昔からある、マイナーチェンジを繰り返して製造され続けている自動巻きムーブメントです。初期のCal.2824は振動数が21600振動でしたが、今回のプリンス オイスターデイトはマイナーチェンジによって28800振動に変更されたタイプを搭載しています。
ムーブメント全体を見てみると油が全くなく、歯車の軸は黒く汚れていました。前述のリューズ操作の違和感について改めて確認すると、手巻きの際にローターも一緒に回っていたことが原因でした。手巻きの重さとローターによる振動は、連れ回りと呼ばれる自動巻き機構の切替車の油が劣化や減少することで起きる症状です。症状は重く、自動巻き機構を分解をしてみると切替車の軸は段差ができるほど摩耗していましたので交換が必要でした。画像4は取り外した自動巻き機構の裏側です(画像4)。その後も分解しつつパーツの確認を進めていくと自動巻き機構の巻上げ車は歯車とカナのカシメが緩み、動力のゼンマイは劣化していたため、これら二点の再利用もできませんでした。

磨耗・劣化したパーツを交換し、洗浄・組立て・注油を行うと良好な精度を記録できました。Cal.2824系の特徴として、しばらく動かすと切替車の不良により連れ回りすることがあります。新品に交換しましたがローターでの巻上げ実測テストを行い、持続時間と巻き上げ効率も良好と確認できました。外装の仕上げを終えてこちらで販売しておりますので、よろしければご覧ください。

こちらのチューダー プリンスオイスターデイトをお客様からお預かりしていた場合はオーバーホール基本料金が¥26,000、外装仕上げ¥14,000、パーツ¥17,500 合計¥57,500にて承っております。
修理のご依頼は他店にてご購入されたお時計でも承っております。配送にて対応をご希望の場合は配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。

ゼンマイを巻けば使えるからとついつい長期間メンテナンスをせずに使い続ける方も多くいらっしゃいますが、いよいよ動かなくなった時にメンテナンスを行おうとしたら当店で入手困難なパーツが判明して高額なメーカー修理しか方法がない場合も珍しくありません。本当に最悪の場合はメーカーでもパーツ入手ができず時計の寿命(修理不可)になることもあります。
長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方は致命傷になる前にぜひ当店にご相談ください。

中古 628629001 72033 プリンスオイスターデイト|チューダー| 腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)

チューダー(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。