ロレックス オイスター パーペチュアルデイトジャスト オーバーホール・外装仕上げ
腕時計修理内容
ブランド名 | ロレックス |
モデル名 | オイスター パーペチュアルデイトジャスト |
型番 | ref.116244G |
修理内容 | オーバーホール・外装仕上げ |
修理料金 | ¥74,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、作業6週間 |
症状タグ | 定期メンテナンス油切れ油劣化 |
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今回ご紹介する修理事例は2009年に発表されたRef.116244のオーバーホールと外装仕上げです。
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搭載しているムーブメントはCal.3135です。
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自動巻き機構を外して裏側を見てみると、ちょうど角穴車の歯先に添った位置に摩耗粉が付着していました。
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角穴車はムーブメント左側の赤矢印で指した大きな金色の歯車です。
中古 621685001 116244G デイトジャスト|ロレックス| 「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
ロレックス デイトジャスト (中古)| 「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介する修理事例は2009年に発表されたRef.116244のオーバーホールと外装仕上げです(画像1)。以前はデイトジャストの貴金属モデルやデイデイトにしかダイヤモンド入りベゼルの設定がありませんでしたが、コンビモデルにも追加設定されたことでリーズナブルにダイヤの輝きを楽しむことができます。フルーテッドベゼルの光沢感も光の加減で輝き方が変化して綺麗でしたが、そこはやはりダイヤモンド。その数倍も上を行くキラキラとした輝きが綺麗ですね。
既に修理を終えてこちらとページ下部のリンクにて販売しておりますので宜しければご覧ください。
こちらのデイトジャストは2011年に当店が新品販売したものを渋谷本店にてお買取りし、宝石広場 時計修理センター渋谷が販売前のメンテナンスの依頼を受けた一本です。
元の所有者様は使用頻度が低かったという話を買取部署から聞いていましたが、時計全体に多数の傷がありました。ベゼルにも傷や細かい打痕はありますが、ダイヤのないベゼルでも仕上げのためにエッジが丸まると見栄えが悪くなってしまいます。今回のデイトジャストの様にダイヤ入りベゼルは見栄えの問題だけではなく、磨くことでダイヤを留めている爪が薄くなり強度が落ちて外れやすくなってしまいます。そのため当店では時計全体は綺麗に仕上げつつ、ベゼルはダイヤの脱落のリスクを考えて鏡面の輝きを取り戻す程度に留めております。
軽く振って自動巻きの様子を確かめると内部からは大きな音が聞こえてきましたので、ローター真が摩耗していることを確信しました。ローター真の摩耗粉が各回転軸に付着していた場合、そのまま動かしてしまうと付着した摩耗粉が油と混ざり研磨剤の様に軸を削ってしまうことがあります。短時間で大きく摩耗することはありませんが、この状態で使用し続けることで徐々にローター真は痩せ細っていきます。まずはリューズ操作による動作確認をせずに目視にて内部の状態確認を進めることとしました。
搭載しているムーブメントはCal.3135です(画像2)。ローターの遊びを調べると予想通り大きくなっていましたが、周辺には摩耗粉はありませんでした。自動巻き機構を外して裏側を見てみると、ちょうど角穴車の歯先に添った位置に摩耗粉が付着していました(画像3・4)。このように角穴車を摩耗させる力は手巻きの力を丸穴車経由で受け取る時と自動巻き機構から力を伝え車から受け取る時の二種類あります。どちらも角穴車とつながっているのは鉄製のカナですので柔らかい真鍮製の角穴車が先に磨耗します。
幸い角穴車は交換が必要な状態ではありませんでしたが、ローター真の摩耗を考慮に入れると他にも交換するパーツがあるかもしれませんでした。そこで特にパーツの摩耗に注意しながら分解を進めましたが交換が必要なパーツはなく、ローター真の交換・洗浄・注油・組立てを行うと良好な動作と精度になりました。外装仕上げを終えてにて販売しておりますので宜しければご覧ください。
今回のパーペチュアルデイトをお客様からお預かりした場合はオーバーホール基本料金が¥28,000、別途ローター真交換が¥29,000、オーバーホールとセットで外装仕上をした場合は¥17,000にてご依頼を承っております。配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。
耐久性が高いとされるロレックスでも経年による劣化や摩耗はあります。綺麗なダイヤも長期間洗浄をせずにいると裏側には汚れが溜まってしまい、表面の拭き取りだけでは輝きを取り戻すことはできません。画像1も拭き取りを行っていますが綺麗とはいえません。ぜひ外装の洗浄と仕上げを終えたこちらの販売ページの画像と見比べてください。
また、ゼンマイを巻けば使えるからと長期間メンテナンスをせずに使い続けると動かなくなった時に多くの交換パーツが必要になったり、当店で入手困難なパーツがあり高額なメーカー修理が必須になることもありませす。ダイヤの輝きが曇っていたり長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方はお気軽に当店へご相談ください。