オイスターパーペチュアルデイト オーバーホール、仕上

腕時計修理内容

ブランド名 ロレックス
モデル名 オイスターパーペチュアルデイト
型番 ref.1500
修理内容 オーバーホール、仕上
修理料金 ¥43,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り3週間、ご返答いただきましてから作業6週間
症状タグ

ロレックス オイスターパーペチュアルデイト オーバーホール、仕上

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイト 修理後のお時計です。

    修理後のお時計です。

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイト ムーブメントはCal.1570です。

    ムーブメントはCal.1570です。

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイト 自動巻き機構を取り外すと出車と秒カナ、秒カナバネが見えます

    自動巻き機構を取り外すと出車と秒カナ、秒カナバネが見えます

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイト 日送り車のネジポストの高さがズレていました。

    日送り車のネジポストの高さがズレていました。

担当者コメントと修理のポイント

ロレックスのオイスターパーペチュアルデイトです(画像1)。
同時期に発売されたエアキングと比べると3時位置の日付け機能と日付をより見やすくするサイクロップレンズが目立ちます。
日付けのあるなしは一見してわかりますが文字盤のプリントも違います。
12時側のモデル銘が違うのは当然として、6時位置には”SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED”とプリントされています。これは搭載しているムーブメントのCal.1570が機械式時計の中でも高精度の証となるスイス公認クロノメーター検査協会(COSC)のクロノメーター認定を受けていることを指しています。

こちらのパーペチュアルデイトは渋谷店でお買取させていただき、販売するにあたり整備のためにアフターサービス部に回ってきたお時計です。
ハック(秒針停止)機能が無いことから1970年以前の製造とはわかりましたが参考までに調べましたところシリアルナンバーで該当するのは1965~66年ごろでした。昔の製造モデルでもシリアルで製造年を調べられるのもロレックスの面白さですね。

搭載しているムーブメントは先述の通りCal.1570です(画像2)。
メンテナンスの前に動作の確認をしてみると秒針のフラつきと日付けが半目になることがありましたので1つずつ原因を考えながら分解をしていきました。

まずは秒針のフラつきについてです。自動巻き機構を取り外した画像3をご覧ください。
Cal.1570ではセンター秒針にするため出車方式を採用しています。画像では関連するパーツの出車、秒カナ、秒カナバネを矢印で指してみました。
出車は3番車の上ホゾに圧入され秒針が取り付けられる秒カナに繋がっています。
この方式は秒カナが輪列の最後に位置しますので輪列の連続性が途絶え、出車と秒カナの歯先の遊び分だけフラついてしまいます。秒カナのフラつきを抑えるために秒カナバネが取り付けられているのですが、バネのテンションが弱くフラつきがおきていました。テンションを強く調整をすれば解決しますが、強すぎると回転抵抗が大きくなり振り角も下がるため精度の低下を起こしてしまいます。フラつきを抑えつつ振り角も維持する最適な調整が必要な部分です。

次に日付の半目についてです。
文字盤やデイトディスクを取り外し日送り車周りをできるだけ見やすくしてみました(画像4)。
赤矢印で指したパーツが日送り車です。時間の経過とともに左回転し一定位置まで回転すると歯車中央の銀色の爪が瞬時にデイトディスクを切り替える構造になっています。この歯車は地板に圧入されたピンに取付けられ、さらにピンの先端にネジを締めこむことで日送り時の習慣的な動きや振動でムーブから外れないように組み付けられています。表面に溝が3本あるネジは日送り車の回転方向が左なので動作で緩まないように逆ネジになっています。
分解前に確認した時点でこのネジは緩みきっていて外れる寸前の状態でした。
しっかりと最後まで締めこんでみると遊びが完全になくなり、日送り車がデイトディスクを送る途中で止まってしまいました。ネジや日送り車の摩耗状態をチェックしましたが問題はなく組み込んだ状態でのみ発生する症状でしたので、改めて位置関係を確認したところ地板側のネジが入るダボの高さが足りず締め込み量に対して低いことが原因でした。
このダボは地板に圧入で取付けられており理由はわかりませんが深く入りすぎていることで症状が出ていましたので出る量を調整し、しっかりとネジを締めこんだ状態で遊びが生まれて日送り車が正常に動作するようになりました。

その他にも多くの歯車の軸が摩耗し振り角の低下をおこしていましたが研磨することで正常に動作をするようにできました。
オーバーホール後のランニングテストも良好でヴィンテージ商品の雰囲気を残す程度の仕上をして店頭に並ぶ予定です。

今回のパーペチュアルデイトをお客様からお預かりした場合はオーバーホールが¥32,000~(ヴィンテージモデル)、オーバーホールとセットで外装仕上をした場合+¥11,000にてご依頼を承っております。

耐久性が高いとされるロレックスでも製造されて数十年経過したヴィンテージ時計は経年による劣化や摩耗はあります。ゼンマイを巻けば使えるからとついつい長期間メンテナンスをせずに使い続ける方も多くいらっしゃいますが、いよいよ動かなくなった時にメンテナンスを行おうとしたらオーバーホールだけでは完調にならず交換パーツが多く必要になったり、当店で入手困難なパーツが判明して高額なメーカー修理しか方法がない場合も珍しくありません。本当に最悪の場合はメーカーでもパーツ入手ができず時計の寿命(修理不可)になることもあります。
長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方は致命傷になる前にぜひ当店にご相談ください。

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。