オイスターパーペチュアルデイトジャスト オーバーホール、巻き上げ車・ゼンマイ交換

腕時計修理内容

ブランド名 ロレックス
モデル名 オイスターパーペチュアルデイトジャスト
型番 ref.69178G
修理内容 オーバーホール、巻き上げ車・ゼンマイ交換
修理料金 ¥48,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2週間、ご返答いただきましてから作業4週間
症状タグ

ロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャスト オーバーホール、巻き上げ車・ゼンマイ交換

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャスト 修理後のお時計です

    修理後のお時計です

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャスト 矢印で指した歯車が巻き上げ車です

    矢印で指した歯車が巻き上げ車です

  • ロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャスト 巻上車の矢印位置でカシメが緩んでいました

    巻上車の矢印位置でカシメが緩んでいました

担当者コメントと修理のポイント

以前より止まりやすいと感じていたものが最近では24時間くらいしかもたなくなった、とのことで修理キットにて渋谷店にオーバーホールのご依頼を頂きました。

お時計はロレックスのオイスターパーペチュアルデイトジャストです(画像1)。
搭載しているのはCal.2135でメンズに搭載されているCal.31○○系と同様にかなり長期間にわたって製造されていたムーブメントです。
Cal.21○○系はあまり詳細な資料が見つけられず正確な裏付けが取れませんでしたが、個人的な感覚としては1980年代~1990年代終わりごろくらいまで搭載されていたムーブメントです。

今回の症状”止まりやすい”原因を大まかに分けると主に以下の3点です。
・自動巻き機構の効率が落ちている
・メインの輪列や脱進機の回転抵抗が大きくなっている
・ゼンマイが劣化している

まずは自動巻き機構をチェックしてみました。
ローターを回転させてみると自動巻き機構の巻き上げ車は回転しますが角穴車は回転していませんでした。
さらに詳しくパーツをチェックしていましたところ赤矢印で指した巻き上げ車の歯車とカナのカシメが緩んでいました。
巻き上げ車はローターの回転をいくつかの歯車を介して真鍮の歯車で受け止め、鉄のカナでゼンマイにつながる角穴車に伝える歯車です。
お預かりしたお時計はこの歯車とカナのカシメが緩んだため、ゼンマイがあまり巻き上げられていない状態ならば巻き上げ車にかかる力は小さく巻き上げできるものの、巻き上げが進みかかる力が大きくなると歯車とカナのカシメ部分が滑って空回りしてしまい、ゼンマイを全巻き状態(スリッピング)まで巻き上げできていませんでした。

次に輪列周りの状態を確認しました。
こちらはご使用年数なりに油が劣化していたくらいで、止まりの直接的な原因となるような状態ではありませんでした。

最後にゼンマイです。
こちらは目視でわかる破損や劣化こそありませんでしたが、全巻き状態(スリッピング)までの回転数がやや少なく、簡易洗浄組み立て後の動作確認ではテンプの振り角が想定より大幅に低いままでした。
また事前にチェックした他のパーツに摩耗や破損、歪みなどもなかったためゼンマイ自体の劣化とスリップ部分に原因があり動作に影響しているのだろうと推測しました。
ゼンマイは切れていれば交換の判断も簡単なのですが、今回のように目視ではわからない金属疲労や劣化は判断が難しいです。基本的に分解する時に破損や摩耗、歪みなどは全てチェックしていますが、簡易洗浄組み立て後に動作が想定より良くなければ念のためもう1度組み立てミスやチェック漏れが無いか分解して確認してから原因をゼンマイだと特定し交換をご案内をしています。

今回の止まりやすい症状は、巻き上げ車のカシメが緩んだために自動巻き上げが空回りして全巻き状態(スリッピング)まで溜められず、たとえ手巻きを十分にしてもゼンマイ自体が劣化していたために持続時間が短くなっている複合的な原因でした。
そのためオーバーホールの他にカシメが緩んだ巻き上げ車と金属疲労か劣化をしていたゼンマイの交換にてお渡しができました。


K様 ご依頼ありがとうございました。