チューダー プリンスオイスターデイト サブマリーナー オーバーホール､外装仕上

担当者コメントと修理のポイント

今回ご紹介する修理事例は、チューダーの「プリンスオイスターデイト サブマリーナー」（画像1）です。
外装部品の多くはロレックスから供給を受けて製造されているため、ロレックスのサブマリーナーREF.1680と外観は非常に似通っております｡まだブランド名が「チュードル」と呼ばれていた時代のモデルでもあり、懐かしさを覚える愛好家の方も多いのではないでしょうか。

本モデルに搭載されているのは、信頼性に定評のある自動巻きムーブメント「Cal.2824-2」（画像2）です。堅牢かつ扱いやすい構造に加え、ムーブメントにはロレックスにも見られるような美しいペルラージ仕上げが施されており、細部にまで丁寧な作り込みが感じられます。

今回お預かりしたこちらのサブマリーナーは、宝石広場 渋谷本店にてお買取りし、販売に向けて修理センター渋谷でメンテナンスを実施いたしました。保証書の日付は1995年となっており、製造から少なくとも30年近い年月を経過していることが分かります。

まず外観チェックを行ったところ、風防とケースの境目に赤茶けた錆が確認されました。ベゼルを取り外して内部を確認したところ（画像3）、その段階では目立った腐食は見られませんでしたが、さらに作業を進めベゼル根元を外したところ、やはり錆の発生が確認されました（画像4）。この部分は汗や湿気が溜まりやすく、長年の使用で少しずつ腐食が進行してしまったものと考えられます。

そこでケース部分に対して錆を丁寧に除去し、その後に防錆のための油を塗布して処置を施しました。内部については幸いにも全パーツが再利用可能な状態で、過去に何度かメンテナンスを受けていた形跡も確認できました。長く大切にご使用されていたことが伺えます。

作業は、パーツの洗浄からムーブメントの組み直し、各部への注油と精度調整を経て、無事にオーバーホールが完了しました。

今回のチューダー プリンスオイスターデイト サブマリーナーをお客様より修理依頼いただいた場合、オーバーホールの基本料金は￥33,000～（パーツ代別途）となります。また、オーバーホールに加えて外装仕上げも同時にご希望の場合は、セット料金で＋￥14,000にて承っております。

今回のケースのように、お客様の目に見えない箇所で錆が進行するケースも少なくありません。外観が綺麗に見えても、内部では確実に経年変化が進んでいる場合があります。そのため、トラブルを未然に防ぐためにも定期的な点検・メンテナンスを強くお勧めいたします。

大切な時計を長く良好なコンディションでご愛用いただくために、しばらくメンテナンスを行っていない心当たりのある方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。経験豊富な専門スタッフが、お客様の時計の状態を丁寧に診断し、最適なメンテナンスプランをご提案いたします。大切な一本を安心してお任せいただけるよう、万全のサポート体制でお待ちしております。