パネライ ルミノールパワーリザーブ オーバーホール、ゼンマイ交換
腕時計修理内容
| ブランド名 | パネライ |
| モデル名 | ルミノールパワーリザーブ |
| 型番 | PAM00057 |
| 修理内容 | オーバーホール、ゼンマイ交換 |
| 修理料金 | ¥41,500-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
| 修理時間 | 見積2-3週 作業1-1.5ヵ月 |
| 症状タグ | 定期メンテナンス油切れ |
時計正面 ガラスにレンズはあるが表面にロレックスのような突起無し
表ガラスの裏側。裏面を削ってレンズを作っている。
ムーブメント(モジュール)側にもレンズ有り。
汎用ムーブメント+パワーリザーブモジュールの2階建て構造。
パネライ ルミノール(中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
パネライ ルミノール(新品)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ
接客と見積、修理作業を担当。宝石広場在籍15年以上。
居酒屋一人呑み歴も15年以上。
店頭での販売、修理作業、その他の経験を活かし分かりやすいご案内を心がけています。
何かございましたらお気軽にお問合せください。

担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介するのは、パネライ PAM00057 ルミノール パワーリザーブの修理事例です。
こちらは当店にてお買取りさせていただいた後、販売前のメンテナンスとして「宝石広場 時計修理センター渋谷」にて整備を行いました。
このモデルはチタンケースにブラウン文字盤を組み合わせた仕様が特徴で、ロングセラーのPAM00090(ルミノール パワーリザーブ ステンレスケース・ブラック文字盤)と比較すると、2000年前後に販売されていた生産数の少ない希少なモデルです。
当店におきましてもPAM00057をお買取りさせていただくのは実に20年ぶりとなりました。(画像1)
パネライの魅力は多岐にわたりますが、今回はその中でもカレンダー表示用の拡大レンズ構造について少し掘り下げてみたいと思います。
パネライの拡大レンズは、他ブランドと異なりガラスの表面ではなく裏面に加工が施されている点が大きな特徴です。
ガラス表面にはロレックスのような膨らみがなく、裏面を削ることで拡大効果を得ています。(画像2)
また、モデルにもよりますが文字盤の視認性を高めるための無反射コーティングをガラスの裏面のみに施している点もパネライに多くみられる特徴の一つです。
さらに、本モデルはムーブメント側(モジュール側)にも拡大レンズを備えており、日付をより大きく見やすく表示している点が非常に特徴的です。(画像3)
他の多くのメーカーでは、拡大レンズはガラス側もしくはムーブメント側のいずれか一方にしか設けられていない場合が多く、パネライの設計思想の独自性を感じる部分です。
搭載ムーブメントはETA2892をベースとしたCal.9040。その上にパワーリザーブモジュールを重ねた二階建て構造を採用しています。(画像4)
前回ご紹介したトリプルカレンダーモジュール搭載モデルと同様に、ベースムーブメントが汎用性の高いETA製であるため、歯車やゼンマイといった基本パーツは比較的入手しやすく、交換費用も抑えられる点が大きなメリットです。
ただし、モジュール部分に破損が生じた場合は部品の入手が困難であり、メーカーでの修理対応が必要となる点にはご注意いただく必要があります。
今回の修理では、動力ゼンマイを全巻きした際のスリップ音が大きく、ゼンマイの力が逃げて本来のトルクが出ていないことが確認されました。そのため、オーバーホール時に動力ゼンマイ交換を行い修理完了となりました。
オーバーホール完了後には外装仕上げも施し整備完了となりました。
お客様からお預かりの場合は修理料金が基本料金35,000円にゼンマイ交換6,500円を加えた合計41,500円となり、
オーバーホールと合わせて外装仕上もご希望の場合はセット料金で+15,000円ですので合計56,500円となります。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。