ロレックス オイスター パーペチュアルデイトジャスト オーバーホール・仕上
腕時計修理内容
ブランド名 | ロレックス |
モデル名 | オイスター パーペチュアルデイトジャスト |
型番 | 79173G |
修理内容 | オーバーホール・仕上 |
修理料金 | ¥36,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積3週間、ご返答頂きましてから作業1,5か月 |
症状タグ | 操作しづらい/出来ない油切れ |
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正面から
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自動巻き機構
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ベース部分
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赤矢印の歯車は動く
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
他店様でご購入してしばらく経って、手巻きができないという事でご来店いただきました。
メーカー保証も、ご購入店の保証も切れているという事を確認してから諸々のご案内スタートです。
さて、手巻きが出来ないという状態ですと、まずまっさきに思い浮かぶのはゼンマイ切れです。
ロレックスでもゼンマイだけはアキレス腱なのか、新品であってもすぐに切れてしまう事があります。
多くの場合ゼンマイの前端が、たまに後端が切れて巻上げの感触がなくなり、ゼンマイからの力がかからなくなった輪列が逆転し、秒針が少し左回転することもあるのですが...
何事も絶対などと言えるものはなく。
今回手巻は出来ないのに時計は動いているのです。そう、自動巻き機構とメインの輪列は動作しているんですね。
じゃあどこが悪いのかということで確認です。自動巻きを外して(写真2)ベース部分(写真3)。手巻きをすると、写真4の番号順で歯車に力が伝わっていき、④の角穴車を回す事でゼンマイを巻き上げます*1。
*1 番号以前の歯車や角穴車周りの作りについては説明を端折っています。
”本来は”手巻きすると②が右回転、②の歯車から延びたプレートも一緒に右回転し、③が④と噛み合ってゼンマイが巻上げられます。
ここで”本来は”と付け加えるのは、油流れや固着・粘りなどを原因として②から延びたプレートが動けずに③と④が噛み合わないという事が起きていたのです。
噛み合っていないのですから手巻きできませんよね。最近はあまり見かけませんが、少し前まで新品でもこれを原因としてた手巻き出来ないものをよく見かけました。
きっちり洗浄と適切な注油をすれば問題なく動作する様になりますので、今回はオーバーホールと外装仕上にてお渡しする事が出来ました。
ご依頼ありがとうございました。