ウブロ ビッグバンウニコ チタニウム オーバーホール・外装仕上げ
腕時計修理内容
ブランド名 | ウブロ |
モデル名 | ビッグバンウニコ チタニウム |
型番 | ref.HUB1242 |
修理内容 | オーバーホール・外装仕上げ |
修理料金 | ¥83,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答いただきましてから作業8週間 |
症状タグ | 外装破損・曲がり・固着衝撃 |
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今回ご紹介する修理事例はウブロ ビッグバンウニコ チタニウムです。
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黒い樹脂パーツの赤丸の位置に凹みがあります。
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針の取り付け位置に対して文字盤が少し左にズレています。
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搭載しているムーブメントはCal.HUB1242です。
ウブロ ビッグバン (中古)腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介する修理事例はウブロ ビッグバンウニコ チタニウムです(画像1)。ウブロの誇る自社製フライバック・クロノグラフムーブメント“ウニコ”を搭載し、ケースとベゼルに軽量でありながら強靭なチタンを採用しています。搭載ムーブメントのウニコ(Cal.HUB1242)は2010年にウブロが自社開発したムーブメント。元々ウブロのムーブメントはETAやセリタなど汎用品のモディファイに留まっていましたが、ウニコを開発した後は様々なムーブメントを生み出しています。
こちらは渋谷本店でお買取りした後、販売前のメンテナンスをアフターサービス部に依頼されてきた1本です。調べてみると2018年と5年ほど経過していることがわかりました。ウブロは古典的な機械式時計を製造しながらもデータ管理には新技術を取り入れることに意欲的なメーカーで、時計に付属する国際保証書に電子データを介して確認する方式を数多く採用してきました。そのため同じモデルでも製造時期によって保証書の様式が違います。今回のビッグバン ウニコは情報をメーカーサイトへ入力することで製造年を確認できました。ちなみに過去には保証書と専用のカードリーダーを使う珍しいタイプもありましたし、最新のモデルはスマートフォンのアプリを使って時計の情報を確認できるようになっています。
外装には大小の打痕がつきケースサイドの樹脂パーツには凹みがあります(画像2)。樹脂パーツの凹みはその大小にかかわらず仕上げができないため、傷や凹みを無くすためには交換するしかありません。外装部品の交換はメーカーへ依頼しなくてはなりませんが、多くの場合は部分修理対応ができずにオーバーホールも必須として案内されます。メーカーのオーバーホール料金は当店工房と比べて高額ですので、外装部分の交換をするかどうかは凹みや傷の大きさなど外観上の見た目、その他には機能として影響があるかなど商品として仕上げるうえで様々な要素を考慮して判断します。
画像はアップにしているので目立って見えますが、実際には黒いパーツの小さな凹みなので目立ちません。また機能に影響もないため今回はそのままとしました。
さらに確認をすすめていくと少しだけ文字盤がズレていることに気が付きました(画像3)。針の根本と文字盤の穴の位置が同心円状になく左にズレていることがわかりますでしょうか。この程度のズレであれば文字盤と針が当たることもなく動作に問題がありませんが、時計に大きな衝撃が加わっていることは間違いありません。
その他に衝撃の影響がないか特に慎重に見てみることとしました。
先述の通り搭載されているムーブメントはウニコ(Cal.HUB1242)です(画像4) 。パーツの入手ができないため1つでも破損したパーツがあれば当店工房では対応ができませんので、普段以上に念入りなパーツのチェックを行いながら分解していきました。幸い交換や調整が必要なパーツはありませんでしたので、組立てと注油の後はランニングテストにて実測を取りました。実測でも良好な計測精度がとれましたので外装仕上げを終えた後で店頭へ並ぶ予定です。
こちらのウブロ ビッグバンウニコをお客様からお預かりしていた場合はオーバーホール基本料金が60,000円。同時に外装仕上げをご希望の場合、ストラップタイプはセット料金で23,000円です。
修理のご依頼は他店にてご購入されたお時計でも承っております。配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。
スポーツタイプの時計であっても内部は極小の部品で作られおり、非常に繊細です。衝撃や振動を受けるとパーツの破損は簡単に起こり得ますし、樹脂パーツの打痕やガラスの傷は仕上げすることができずメーカーでしか交換ができません。またメーカーでは部分修理を受け付けていないことも多く総合的な修理・交換費用は高額になりがちです。どれだけ注意してご使用されていてもアクシデントはつきものですし、ご自身では気が付かないうちに衝撃が加わっていることもあります。
お心当たりのある場合はぜひ当店にご依頼ください。