ブライトリング ナビタイマー コスモノート

腕時計修理内容

ブランド名 ブライトリング
モデル名 ナビタイマー コスモノート
型番 B12019
修理内容
修理料金 ¥39,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2週間、ご返答いただきましてから作業5週間
症状タグ

ブライトリング ナビタイマー コスモノート

  • ブライトリング ナビタイマー コスモノート コスモノートは24時間で短針が文字盤を一周します

    コスモノートは24時間で短針が文字盤を一周します

  • ブライトリング ナビタイマー コスモノート 裏蓋は通常のタイプです

    裏蓋は通常のタイプです

  • ブライトリング ナビタイマー コスモノート コスモノートに搭載されているレマニア1873

    コスモノートに搭載されているレマニア1873

  • ブライトリング ナビタイマー コスモノート 参考としてスピードマスタープロフェッショナルのオメガ1861

    参考としてスピードマスタープロフェッショナルのオメガ1861

担当者コメントと修理のポイント

今では自社製クロノグラフムーブメントを多く搭載しているブライトリングですが
一昔前まではETA7750を搭載したラインナップがほとんどでした。
その頃でも特別なクロノグラフのみに搭載されていたのがレマニア手巻ムーブメントで、
製造された全体数からすると、とても少ないラインナップでした。
更にその手巻の中で珍しいのが今回の時計でナビタイマー「コスモノート」です。(画像1)
一般的な時計は短針が文字盤を12時間で一周するところを24時間で一周する仕様に変更されています。

ちなみに、「コスモノート(COSMONAUTE)」とはロシアの宇宙飛行士のことを指し、
「アストロノート(ASTRONAUT)」はアメリカの宇宙飛行士のことです。

モデルのベースはナビタイマーですが宇宙空間では昼夜の違いが判りませんので時間を把握しやすくすることと、
軍では24時間表示になじみがあった理由で文字盤一周が24時間表記になったそうです。
普通のアナログ時計を見るときに数字までしっかり見る方はあまりいませんので、ぱっと見の短針の位置で時間を読み取る習慣があると
コスモノートのように24時間表示の時計は現在の時間を読み間違うことがあります。
24時間表示の場合はしっかりと数字を読むか、この表示に慣れる必要がありますね。

珍しいムーブメントの話題ですので、ざっくりとですがブライトリングの歴代搭載クロノグラフムーブメントをご紹介します。
初代のナビタイマーではヴィーナス系手巻、バルジュー系手巻、変わり種ですと世界初のオートマチッククロノグラフとして
知る人ぞ知る左リューズのCal.11、比較的近年で24時間表示では珍しい紅の豚のポルソ・ロッソはETA2892の二階建てモジュールクロノでした。
そして一番新しいコスモノートではブライトリング自社製のB02ですね。

今回のコスモノートはレマニア1873を搭載していますが裏蓋はシースルーバックではないのでブライトリング定番の計算尺があります。(画像2)
コスモノートでもシースルーバック仕様のモデルも存在しますが、少し前のブライトリングはムーブメントが見える仕様はあまりなかったので
レマニア1873を見る機会はほとんどないと思います。
今回はメンテナンス時に撮影しました。(画像3)

レマニア製で手巻ということでムーブメントを見てお好きな方はピンと来ると思いますが
この時計はオメガのクロノグラフの代名詞スピードマスタープロフェッショナルと同じCal.1861です。(画像4)

スピードマスタープロフェッショナルがレマニア製なのはあまりにも有名ですが
実はブライトリングのコスモノートもほぼ同じで宇宙を歴史に持つ兄弟モデルのようなものです。
違いと言えば文字盤下にある時針の歯車が通常の12時間モデルがスピードマスターで、
24時モデルがコスモノートなのです。ですのでパーツのほぼすべてが共通でモデルに関する逸話も似ていて興味深いです。

今回、渋谷店でお買取りさせていただいたコスモノートは他店でオーバーホール済みの時計とのことでした。
点検したところ情報通り各部の油はしっかり残っており念のため部分的な洗浄と調整を行いました。
ランニングテストで良好な結果が出ましたので今回はメンテナンスにて整備は終了し既に店頭にて販売中です。
下のリンクよりご覧ください。

こちらのコスモノートをお客様からお預かりした場合はオーバーホール基本料金で39,000円~(パーツ代金別途)、
外装仕上げも追加の場合はオーバーホールとのセット料金で+11,000円となっております。

手巻き時計は巻き終わりまで確実に巻き上げることができることでゼンマイの力が強く働き、油切れしていても動いてしまうことでなかなか止まることはなく、
定期的なオーバーホールをしないまま十数年使っている方も珍しくありません。
クロノグラフはパーツ点数が多い分、本来は3針モデルよりもメンテナンスのサイクルには気を付けていただきたいのですが
特にコスモノートのような通常あまりない種類のモデルはパーツ交換が発生すると入手がとても難しくなることもあります。
長期間メンテナンスをされていないと心当たりのある場合はぜひ当店にご依頼ください。

こちらの商品ページにて販売中
ブライトリング ナビタイマー コスモノート B12019

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部部長。時計修理技師。時計修理業界歴約30年。

時計の状態確認・点検・判定・故障個所の修理などの技術的な対応から部署統括まで幅広く担当。

時計専門紙POWER Watchの『”腕時計”のかかりつけ医』コーナーにも度々登場。

お客様のお時計のお悩み誠心誠意対応させていただきます。

時計に関するお困りごとは宝石広場修理部までご相談くださいませ。