ブライトリング ナビタイマー01 オーバーホール、除湿
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
A022B01KBA|ブライトリング ナビタイマー01のオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
ご購入から6年ほど経ち、なんだかガラスが曇るようになったとご来店されました。その時のイメージが写真2です。。。なんでイメージ画像で実物ではないのか、といえば急がないと急激にサビる可能性があり、ご依頼を頂いてすぐ作業をしたためです。
曇りというのはとても簡単に言えば水がケース内に入っている状態です。
もう少し詳しく話しますと、なにかをきっかけに時計ケース内にはいってしまった湿気・水分が、寒くなってきたであるとか、寒い地域に行くなどでケースが冷やされた時、結露するようにしてガラスに固まった状態です。
なにかによって集められない限り(上の例ではケースが冷えた時ですね)症状が目に見えない為、湿気がいつ入ったのかわからない、というのが非常に厄介です。たとえば春先に湿気入りしていたとして、症状が目に見えないまま過ごして冬になり、気が付いた時には内部が錆びだらけ...なんてこともあり、改めて湿気・水気の怖さを思い知る事が多々あります。
*たとえ曇りが引いたとしても、内部に湿気/水気は入ったままで勝手に抜けている事はありません。症状を見たならお早めに御相談下さい。
お預かりしたナビタイマーは、ベゼルに付いた回転計算尺を内周の任意の位置に合わせる事で容易に計算ができるようになっています。
なっているのですが、ベゼルとケース間の防水性はどうしても弱くなりがちです。
回転ベゼルとケース間は当然パッキンが入っているのですが(写真3、白い方は滑りを良くするためのシリコンパッキンです)、回転させる都合上強く押しつぶすことができません。そうするとベゼルの回転がひどく重くなってしまいますからね。
さて水入りの原因ですが、お話を伺っていて推測するに濡れた状態でベゼル操作をしてしまったのかな?という感じでした。
塗れた状態と言っても、びちゃびちゃな状態ということではなく、水気を拭き取ってあったのだと思います。それでも隙間に残った水気がベゼル操作をする事でじわじわと内部に侵入したのかな、と。
今回はごく軽微かつ水気の侵入から短期間でご相談頂けたのか、針/文字盤にシミが残ることもなくオーバーホールのみでお渡しする事が出来ました。
ご依頼ありがとうございました。