シャネル J12クロノグラフ オーバーホール
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
H1007|シャネル J12クロノグラフのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
ご購入から4年、止まりやすいという事でお預かりしました。
動くときは動いてしまいますが、油が切れた/切れそうなタイミングで止まってくれる時計の方が良い状態かな、と個人的には思うのです。
お客様としたら動き続けてくれた方が良いのでしょうが、動き続けた結果あっちこっちの歯車に摩耗や欠けがあったり防水性能劣化させて水入りさせたり、なんて状態になってしまえば小まめにオーバーホールをしといた方が安かったなんてのもザラにあります。
っていうことで、ちょうど4年くらいでとまりがちになったこの時計、オーバーホールにてお預かりをしました。
シャネルのJ12、内部はCal.2894+クロノモジュールですね。
Cal.2892とCal.2894はなにが違うかってクロノモジュールと繋がる分、4番車(普段秒針が付いている歯車/軸)の作りと日付周りの構造がちょっとだけ違います。
4番車は秒針が付かず、クロノモジュールと繋がるカナが圧入されます。
で、日付はベースムーブ側日車に歯車が追加されてクロノモジュール側に組まれた日車と繋がっています。
こういう、ベースに極力手を加えずに機能を追加するってうまいなぁと思うのですよ。。。!
さて。クロノグラフ専用ムーブメントが入っているのか、それとも今回の様なベース&モジュール式になのか?
気にされる方もいらっしゃいますので簡単に言うとですね。
ケース横を見ればわかります(写真3)
リューズ(ベースムーブ)の高さとプッシャー(クロノモジュール)の高さが違いますよね。
ここをケース側でうまく同じ高さにしているモデルもあって一概には言い切れませんが、おおむねケースサイド、リューズとプッシャーの高さを見ればクロノムーブか、今回のような2階建てムーブメントなのか判断が出来ます。
今回の時計に話を戻しまして、止まりやすくなった原因はごく単純に全体的な油の劣化と減少でした。
特に部品の交換もなく、オーバーホールにてお渡しすることが出来ました。
ご依頼ありがとうございました!