ロンジン プレゼンス オーバーホール→キャンセル

担当者コメントと修理のポイント

止まってしまったということで、修理キットにてご依頼をいただきました。
さて作業をしようと裏蓋を開けると電池が白っぽい...

嫌な予感はしつつそっと電池を外してみると（写真２）ずいぶん手ひどく液漏れを起こしていました。

電池性能はどんどん良くなってきてはいますが、やはり時計が止まってからの放置や電池の温度耐性をこえる場所で保管、内部不良がある時に無理押しで動かすなどすると電池に負荷がかかり液漏れを起こしやすいようです。　
液漏れっていうのは、アレです。昔、リモコンの電池とか粉拭いていた事はありませんか？アレです。　

電池の中には科学薬品が入っていまして、それの反応でもって電気を生み出しているのです。
通常、薬品が漏れないようにシーリング（密閉）されていますが、密閉部分がなにかしらのきっかけでダメになってしまった時に中の電解液が漏れ出してしまうのです。
この漏れ出た電解液が内部回路をショートさせ、ダメになってしまうわけですね。

ところでこの漏れ出た電解液、水酸化カリウムって薬品なのですが（違う物もあります）ものすごい劇薬です。
もし液漏れした電池を見つけたら気を付けてくださいね。

今回は元々電池交換のご依頼だったわけですが、内部状態をみてオーバーホール必須の状態です。最低金額（\24,000~）のご案内をしたところキャンセルとの事。
まぁ、電池交換で数千円のつもりが数万円になったら驚いてしまいますよね。　


お力にこそなれませんでしたが、ご依頼いただきありがとうございました。