ロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャスト オーバーホール

担当者コメントと修理のポイント

ご覧いただきありがとうございます。宝石広場　時計修理センター渋谷の藤本です。

今回担当したはお修理品はロレックス オイスターパーペチュアルデイトジャストです。（画像1）ロレックスの代表モデルのデイトジャスト。数十年前から変わらないデザインでバリエーションや仕様を変更しながら今でも定番モデルとして人気があります。
搭載されているムーブメントCal.3135です。1989年から近年まで30年近にわたり使用されてきた傑作と名高いムーブメントのひとつで、技術者にとってもメンテナンスのしやすさに定評があります。ロレックスが発明し時計業界に大きな影響を与えた3つの機構「オイスターケース」「パーペチュアル」「デイトジャスト」が全て搭載されているモデルです。それぞれの機構についても簡単にですが触れてみたいと思います。

①オイスターケース…スクリューバックとねじ込み式リューズで防水性能を有しています。（画像2）
モデルにオイスターと無くとも現行モデルではほとんどのモデルが採用しています。

②パーペチュアル…手巻きが主流だった時代に発明された自動巻き機構で、「永遠」を意味します。（画像3）
1930年頃に発明された当時は360°回転するローターが画期的だったそうで、現在では多少仕組みの違いはあれど多くのメーカーで採用されている機構です。

③デイトジャスト…日付表示が瞬時に切替わる機構です。（画像4）
強いバネと硬く抵抗の少ないルビーを機構に組み込み、強い力に耐えスムーズな動作を実現しています。自宅などの静かな場所だと日付が切り替わった瞬間に作動音が聞こえる事もあります。余談ですがよく「24時ちょうどに日付が切り替わる」と勘違いされる事も多いのですが、現行品でもカレンダー切替り時間の許容範囲は23:55～24:05とされています。

こちらのオイスターパーペチュアルデイトジャストは保証書を含め付属品が無い状態でお買取りしたもので、明確な販売年月日が不明でしたが時計本体のシリアルナンバーから1996年ごろに生産された物と判断しました。内部を目視したところ過去にメンテナンスが行われた痕跡がありましたが、全体的な油切れに加え鉄粉が散っていたので中古商品として販売するため修理センター渋谷にてオーバーホールを行う事になりました。

再利用するパーツは丁寧に洗浄し、ムーブメントを組み上げ、各部に注油と調整及び自動巻の巻き上げ確認を含めたランニングテスト行いオーバーホール完了です。外装仕上げが終わりましたら店頭に並ぶ予定です｡
今回のロレックス　オイスターパーペチュアルデイトジャストのお修理を承った場合、オーバーホール基本料金は￥28,000-でパーツ代は別途料金となります。オーバーホールと合わせて外装仕上もご希望の場合はセット料金で+￥14,000-です。
長期間メンテナンスを行っていない時計でもゼンマイを巻けば動作することはありますが、潤滑油の減少によりパーツの摩耗劣化が進みやすくなり精度や持続時間など機能が低下してきますので定期的なオーバーホールをお勧めしております。
当店は渋谷で長く実店舗を構え、年間6,000本の修理実績がございます。当店でご購入のお時計でなくてもオーバーホールを承っております。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。