ロレックス オイスターパーペチュアルデイト オーバーホール・外装仕上げ・ゼンマイ交換
腕時計修理内容
ブランド名 | ロレックス |
モデル名 | オイスターパーペチュアルデイト |
型番 | ref.1500 |
修理内容 | オーバーホール・外装仕上げ・ゼンマイ交換 |
修理料金 | ¥51,500-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答いただきましてから作業8週間 |
症状タグ | 外装破損・曲がり・固着錆び・腐食 |
今回ご紹介する修理事例はロレックス オイスターパーペチュアルデイト ref.1500のオーバーホール・外装仕上げです。
本体を斜めから見るとベゼル内側とプラスチック風防との隙間の赤丸で囲った箇所に錆がありました。
付着した汚れを除去して状態を確認するとケース・パッキン・裏蓋の接触位置とネジ部に錆がありました。
搭載しているムーブメントは1960年代半ばから1980年代後半まで製造されていたCal.1570です。
ロレックス パーペチュアルデイト (中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
ロレックス パーペチュアルデイト(新品)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回ご紹介する修理事例はロレックス オイスターパーペチュアルデイト ref.1500のオーバーホール・外装仕上げ・ゼンマイ交換です(画像1)。
同時期に販売されたエアキングとの違いはオイスターパーペチュアル”デイト”というモデル名の通り日付け表示が3時位置にあることです。文字盤の6時位置にプリントされている”SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALLY CERTIFIED”は搭載しているCal.1570が機械式時計の中でも高精度の証となるスイス公認クロノメーター検査協会(COSC)の認定を受けていることを指しています。
こちらのパーペチュアルデイトは渋谷本店でお買取りし、販売前のメンテナンスを修理センター渋谷が依頼された一本です。ブレスレットが無い理由について買取時の話を聞いたところ、腐食と摩耗により駒がバラバラになっており再利用ができない状態だったとのことでした。
シリアルナンバーから製造年を調べると1967~1968年頃(シリアルナンバーと製造年の対応表はここに掲載しています)ですので50年以上経過しています。金属製ブレスレットはラバーや革と比べて経年劣化に大きく耐性がありますが時計本体とは違い消耗品の面もあります。長く使い続けていれば稼働する部分が多いため今回のように摩耗や腐食などで破損する場合も珍しくありません。
50年以上前のヴィンテージ時計に状態の良いブレスレットが付いている際は交換されていることも多く、オリジナルの状態を維持していると自分の物でもないのに何故だか少し嬉しく思えてきます。
今回のオイスターパーペチュアルデイトに話を戻します。金属のブレスレットが形を維持できないほど劣化していたのならば時計本体も状態が悪いと推測しました。正面ではなく斜めから確認すると推測通りベゼル内側とプラスチック風防との隙間に錆がありました(画像2の赤丸で囲った箇所)。ここに錆がある場合は内部にも湿気が入り込んでいることがあります。ムーブメントに湿気入りなどのダメージがある場合はパーツが腐食により劣化し、僅かなきっかけが最後の一押しとなってしまい破損することがあります。現在の正確な状態を確認するため、あえてリューズ操作による動作確認はせずに裏蓋を開けて内部確認を行うことにしました。
裏蓋を開けようとしたところネジ込み式の裏蓋が固着していました。無事に裏蓋を緩められた後も感触にざらつきがあり、何かを挟み込んでいるような違和感がありました。パッキンは完全に硬化しており裏蓋を開ける際に割れてバラバラになってしまいました。
付着した汚れを除去して状態を確認するとケース・パッキン・裏蓋の接触位置とネジ部に錆がありました(画像3)。固着の原因は裏蓋・ケースの腐食によるためで、ざらつきの違和感はネジ部が腐食により荒れていたためでした。錆は残っていると進行してしまいますので大まかに削り取った後は薬剤を使い完全に除去しました。錆で荒れてしまったネジ部も同様に錆取り処理した後でスムーズに回転するようしてあります。割れたパッキンはもちろん新品に交換です。
搭載しているムーブメントは1960年代半ばから1980年代後半まで製造されていたCal.1570です(画像4)。外装に錆があったことからムーブメントにも影響し交換パーツが大量にあるのではないかと身構えていましたが、分解し確認するとゼンマイが劣化していただけで他は再利用ができる状態でした。ゼンマイと裏蓋パッキンを交換し洗浄・組立て・注油にて良好な精度を記録できました。外装仕上げと革ベルトを用意してから店に並ぶ予定です。
こちらのオイスターパーペチュアルデイトをお客様からお預かりしていた場合はオーバーホール基本料金¥33,000、オーバーホールと一緒に外装仕上げをご希望の場合はセット料金で外装仕上げ¥12,000、パーツはゼンマイが¥6,500です。
配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。
耐久性が高いとされるロレックスでも経年による劣化や摩耗はあり、製造されて数十年経過したヴィンテージ時計はパーツの経年劣化によりなおさら摩耗が進みやすいです。ゼンマイを巻けば使えるからとついつい長期間メンテナンスをせずに使い続ける方も多くいらっしゃいますが、いよいよ動かなくなった時にメンテナンスを行おうとしたらオーバーホールだけでは完調にならず交換パーツが多く必要になったり、当店で入手困難なパーツが判明して高額なメーカー修理しか方法がない場合も珍しくありません。本当に最悪の場合はメーカーでもパーツ入手ができず修復扱いとなり現実的ではない高額になることもあります。
長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方は致命傷になる前にぜひ当店にご相談ください。