オメガ スピードマスターマーク40AM/PM オーバーホール、外装仕上げ、ゼンマイ交換
腕時計修理内容
ブランド名 | オメガ |
モデル名 | スピードマスターマーク40AM/PM |
型番 | ref.3520-53 |
修理内容 | オーバーホール、外装仕上げ、ゼンマイ交換 |
修理料金 | ¥69,500-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答を頂きましてから作業1.5ヶ月 |
症状タグ | 定期メンテナンス油切れ |
ご紹介する修理事例はオメガ スピードマスターマーク40AM/PMのオーバーホール・外装仕上げです。
搭載ムーブメントはCal.1151です。
長期間の使用で伸びてしまったゼンマイ
新品の物と比べ変形が見られます。
オメガ スピードマスター (中古)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
オメガ スピードマスター(新品)|腕時計の販売・通販「宝石広場」 (housekihiroba.jp)
私が担当しました
宝石広場 時計修理センター 渋谷(アフターサービス部)スタッフ
主に修理作業と接客を担当。時計修理業界歴は10年以上。
技術者の目線から専門的なお修理の内容をわかりやすくご案内いたします。
是非お気軽にお問合せください。
修理担当した時計
担当者コメントと修理のポイント
皆様当サイトをご覧いただきありがとうございます。今回より修理事例を書かせてもらう事になりました。
宝石広場 時計修理センター渋谷 佐藤と申します。
今回ご紹介する修理事例はオメガ スピードマスター マーク40AM/PMです。(画像1)
オメガ スピードマスター。この名を聞けば多くの方が宇宙への挑戦を思い浮かべるでしょう。
スピードマスター誕生40周年を記念して1997年に制作されたこのモデルがスピードマスター マーク40 AM/PMで、グレー文字盤をベースにインダイアルを黒で濃淡を付け24時間表示は午前午後のメリハリをもたせた青を配置。
時間表示は白ベースで視認性を上げ、クロノグラフに関する針は赤で分けて、日付は黄といった多色使いが魅力で記念モデルらしい華やかさが見る人の心を惹きつけます。
搭載されているムーブメントは、信頼性の高いETA 7751をベースとしたCal1151。クロノグラフ機能に日付はポインター式に変更、曜日、月、スモセコ同軸上にAM/PM(24時間)表示が追加されています。(画像2)
こちらのスピードマスター AM/PMは宝石広場 渋谷本店でお買取りし、販売にあたり修理センター渋谷にメンテナンスを依頼されました。当店で同型の販売データからおおよそ2000年頃の製造と判断。25年も前のモデルのため何度かメンテナンスをされている場合もありますが、経過年数を考慮するとオーバーホールだけではなく部品の交換が必要な可能性も高い個体です。
外装は細かな使用傷は見受けられましたが幸いにも大きな打痕などはなく、製造年を考えると良好な状態を保っていました。
次に内部の点検に進み、外装の程度と同様にムーブメントにも湿気入りなど目立った錆などは見当たらず一安心。しかし、各部を詳しく点検していくと長年の使用により歯車のホゾやクロノグラフ機構の潤滑油が完全に枯渇して全体の動作がぎこちなくなっていることが判明しました。何度かメンテナンス作業をされた形跡はありましたが油切れのため今回オーバーホールを実施することにしました。
分解を進めて香箱内を点検したところ時計の動力源であるゼンマイの形状が変化しているのを発見しました。(画像3)
時計の動力用ゼンマイは非常に強いバネ性と耐久性を持つ素材でできており、形状記憶合金でもありますので定期的なメンテナンス内であれば再利用することもありますが、長期間の使用や香箱内に収められたままでは本来の形状を維持できなくなる場合もあります。
画像3で長年の使用によってバネ性が弱まり、ゼンマイの終わりの部分が伸びきってしまっているのがわかります。ゼンマイの形状が変化することで巻き上げしても必要十分なトルクを生み出すことができなくなります。その結果、時計本来の精度が出なかったり持続時間が短くなるなど悪影響を及ぼしオーバーホールしても調子よくならない場合があります。今回は目に見えてゼンマイが劣化していましたので新しいゼンマイに交換することで十分なトルクを発生させることができ、時計は再び正確に動作することができるようになりました。
ゼンマイの劣化具合を比較できるように新品のゼンマイも撮影しましたのでご覧ください(画像4)
ゼンマイ以外のパーツは幸いにも交換が必要なほどの劣化は見られませんでした。パーツを丁寧に洗浄し、ムーブメント組み上げ、各部に注油と調整を行いオーバーホールが完了。動きの重かったクロノグラフはスムーズになり、時計自体も問題なく動作するようになりました。
今回のオメガ スピードマスター マーク40 AM/PMをお客様からお修理を承った場合、オーバーホール基本料金は¥43、000でパーツ代は別途となります。オーバーホールと合わせて外装仕上も行う場合はセット料金で+¥20、000です。
今回のオメガ スピードマスター マーク40 AM/PMのように、長期間メンテナンスを行っていない時計でもゼンマイを巻けば動作することはあります。長期間使用していると潤滑油の減少によりパーツの摩耗劣化が進みやすく、精度や持続時間、クロノグラフの動作が不安定になることがあります。
愛用の時計を良好なコンディションでお使いいただくためにも、長期間メンテナンスをしていない心当たりのある方は、ぜひ一度私たちにご相談ください。専門のスタッフがお客様の時計の状態を丁寧に診断し、最適なメンテナンスプランをご提案させていただきます。