パネライ ルミノール マリーナ LOGO アッチャイオ オーバーホール・外装仕上げ

担当者コメントと修理のポイント

今回ご紹介する修理事例はパネライ ルミノール マリーナLOGO アッチャイオです（画像1）。
シリアルはT番なので2017年製。ケースの仕様変更により、ねじ込み式だった裏蓋がスナップバックへと変わりすっきりとした印象です。文字盤6時位置にあしらわれたブルーカラーの「OP」マークがいいアクセントになっています。インデックスと針にはヴィンテージを思わせるベージュ色の夜光塗料を使用しており雰囲気もバッチリです。
こちらと記事の最下部のリンクにて販売しておりましたので宜しければご覧ください。

渋谷本店にてお買い取りさせていただいた後、アフタ―サービス部へ販売前のメンテナンスを依頼された1本です。
外装の状態は経過期間なりの傷や大小の打痕がありましたが内部の状態は良好でした。油は十分に残り劣化も見られず計測精度も安定していたため、部分的なメンテナンスのみで販売することもできたと思います。ただし当店での作業履歴はなく他店での作業跡も見当たらなかったため、ご購入いただいた後で安心してご使用いただけるようにオーバーホールを行うこととしました。

搭載しているムーブメントはCal.6497-2です（画像2）。
受けに施されたコートドジュネーブ、角穴車・丸穴車のサンレイ、ネジの鏡面仕上げ・青焼きなどにより綺麗に装飾されています（画像2.3.4）。Cal.6497はユニタス社が1960年代に開発されたムーブメントです。ユニタス社はETA社と合併して今は存在しないメーカーですが、Cal.6497はETA社の製品として今も多くの時計に採用されています。パネライ ルミノール マリーナ LOGO アッチャイオはCal.6497に改良を施した Cal.6497-2を採用しています。 持続時間が44時間から大幅に伸びて60時間になり使い勝手がよくなっている他、振動数が18,000振動/時から216,000振動/時に変更されたため精度も向上しています。
分解しながらパーツの確認をしても交換や調整が必要な箇所はありませんでした。古い油をきれいに洗い流したのち、組み立てと新しく注油を行うことで良好な計測値を記録できました。その後は念のため実際に動作をさせて精度と持続時間を確認し、外装仕上げを行った後で店頭に並びました。

こちらのパネライ ルミノール マリーナ LOGO アッチャイオをお客様からお預かりしていた場合はオーバーホール基本料金が28,000円、オーバーホールと一緒に外装仕上げをご希望の場合はセット料金で9,000円です。
修理のご依頼は他店にてご購入されたお時計でも承っております。配送にて対応をご希望の場合はこちらから宅配キットを承っておりますのでお気軽にご依頼ください。

長期間メンテナンスをせずにいると目に見える症状がなくとも内部の油は徐々に劣化し汚れていきます。劣化した油でご使用されることで内部パーツは加速度的に摩耗が進むこともあり、オーバーホールをご依頼いただいたときには大量のパーツ交換が必要なことも珍しくはありません。
また、不動などの目に見える不調は大抵の場合ある日突然に起こりすので、お心当たりのある場合は不調の起こる前にぜひ当店にご依頼ください。