レッタンゴロ 修理キャンセルの為ご返却しました 公開日:2021/05/04 最終更新日:2022/01/17 腕時計修理内容 ブランド名 ブルガリ モデル名 レッタンゴロ 型番 ref.RT45C6LSSD 修理内容 修理キャンセルの為ご返却しました 修理料金 お見積りのみのため無料 修理時間 お見積り2週間、その後ご返却 症状タグ 止まる油切れ部品劣化/破損 お時計を正面から ムーブメントはETA Cal.2000 です 左が1番車受けと中央と右が自動巻き受け 裏側には多くの固定された歯車があります 担当者コメントと修理のポイント 他店で購入されたお時計が一日中腕につけていても翌朝には止まっているということで、修理キットにてオーバーホールのご依頼を頂きました。 お時計はブルガリのレッタンゴロです(画像1)。 搭載されているのはETA Cal.2000で小型の薄いムーブメントです(画像2)。 計測器での検査やパーツ外れなどが無いかのチェックと輪列の油の状態を確認しましても、止まりやすい原因を特定することはできませんでした。 原因を探るためさらに分解をすすめました(画像3・4)。 同じ部品の表裏です。画像3の左が1番受けで中央と右が自動巻き機構のパーツです。 一般的にムーブメントは歯車を受けとプレートではさんでいる構造ですが、Cal.2000ではムーブメントを薄くするために多くのパーツが受けに直接取り付けられ一体となっています。 この歯車の軸は取り付ける際にカシメられていて取り外しはできないようになっていますので、オーバーホールでも受けは歯車が取り付けられたままの状態で洗浄することになります。 これまでこの軸が原因で不具合が起きたことは記憶にありませんし、洗浄不足や注油量の過不足があれば操作に違和感がでるので作業が確実にできているのかは判断できますが、目視できないため気になってしまいます。 気になるたびにETAのサイトやテクニカルガイドなどを確認していますが洗浄方法やパーツの交換時期や、軸の確認方法についての記載はみつかりません。 目視できなくても1つ1つの作業を確実に行えていれば問題ないということなのでしょう。 さて、ほとんどのパーツを分解し終わり輪列も確認しましたが油の劣化で振りや精度がが落ちても、ご指摘されるほどの症状が起こりそうにはありませんでした。 最後に香箱を分解してみたところ、ようやく気になる部分を発見しました。 ゼンマイの一部に極端な曲がり癖がついていて、更によく見てみるとヒビも入っていました。ゼンマイにヒビが入っては本来の持続時間は持たないでしょうから原因はゼンマイで間違いありません。 お客様へオーバーホールと外装仕上、ゼンマイ交換のお見積りにてご案内しましたが、今回はご予算の関係で修理をキャンセルすることとなりました。 T様 お力にはなれませんでしたが、ご依頼ありがとうございました。 私が担当しました 修理担当した時計 私が担当しました kojima_satoshi@ushouseki.xsrv.jp 03-5458-5424 HOUSEKIHIROBA 小島 宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。 時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。 1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。 是非お気軽にお問合せください。 修理担当した時計 2453-50|オメガ シーマスタープロフェッショナル By 小島 2022年6月14日 79910|チューダー ヘリテージレンジャー By 小島 2022年5月31日 4620 3101|オメガ デビル By 小島 2022年5月10日 21020.2|エベラール トラベルセトロビトレ By 小島 2022年4月19日
担当者コメントと修理のポイント
他店で購入されたお時計が一日中腕につけていても翌朝には止まっているということで、修理キットにてオーバーホールのご依頼を頂きました。
お時計はブルガリのレッタンゴロです(画像1)。
搭載されているのはETA Cal.2000で小型の薄いムーブメントです(画像2)。
計測器での検査やパーツ外れなどが無いかのチェックと輪列の油の状態を確認しましても、止まりやすい原因を特定することはできませんでした。
原因を探るためさらに分解をすすめました(画像3・4)。
同じ部品の表裏です。画像3の左が1番受けで中央と右が自動巻き機構のパーツです。
一般的にムーブメントは歯車を受けとプレートではさんでいる構造ですが、Cal.2000ではムーブメントを薄くするために多くのパーツが受けに直接取り付けられ一体となっています。
この歯車の軸は取り付ける際にカシメられていて取り外しはできないようになっていますので、オーバーホールでも受けは歯車が取り付けられたままの状態で洗浄することになります。
これまでこの軸が原因で不具合が起きたことは記憶にありませんし、洗浄不足や注油量の過不足があれば操作に違和感がでるので作業が確実にできているのかは判断できますが、目視できないため気になってしまいます。
気になるたびにETAのサイトやテクニカルガイドなどを確認していますが洗浄方法やパーツの交換時期や、軸の確認方法についての記載はみつかりません。
目視できなくても1つ1つの作業を確実に行えていれば問題ないということなのでしょう。
さて、ほとんどのパーツを分解し終わり輪列も確認しましたが油の劣化で振りや精度がが落ちても、ご指摘されるほどの症状が起こりそうにはありませんでした。
最後に香箱を分解してみたところ、ようやく気になる部分を発見しました。
ゼンマイの一部に極端な曲がり癖がついていて、更によく見てみるとヒビも入っていました。ゼンマイにヒビが入っては本来の持続時間は持たないでしょうから原因はゼンマイで間違いありません。
お客様へオーバーホールと外装仕上、ゼンマイ交換のお見積りにてご案内しましたが、今回はご予算の関係で修理をキャンセルすることとなりました。
T様 お力にはなれませんでしたが、ご依頼ありがとうございました。