フランク ミュラー トノウカーベックスカサブランカ オーバーホール、仕上、パッキン、3番車、4番車、ローターベアリング、切替車交換
腕時計修理内容
ブランド名 | フランク ミュラー |
モデル名 | トノウカーベックスカサブランカ |
型番 | Ref.8880SCDTCASA |
修理内容 | オーバーホール、仕上、パッキン、3番車、4番車、ローターベアリング、切替車交換 |
修理料金 | ¥66,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積3週間、ご返答頂きましてから作業2か月 |
症状タグ | 止まる油切れ部品劣化/破損 |
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正面から
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ケースサイドから。ガラスがでっぱっています
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ラバーの溝に汚れが溜まります
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ムーブメントはETAベース
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
止まり易くなったからと修理のご依頼をいただきました。
よくよく他店で断られたとご依頼をいただくフランク・ミュラーですね。内部的にはほとんどETAかフレデリック・ピゲのムーブメントですので、たいていの修理は承っています。
さてその特徴的な見た目から人気のフランクですが、ちょっと怖い時計でもあります。
まず第1に、正規保証書のないものはメーカー修理が受けられません。だからこそお断りしているお店も多いのではないかと思います。第2にその特徴的な見た目のガラスはご使用中に割ってしまいやすいです。(写真2)
そう、ガラスがケースから大きく張り出しているので、ご使用の際にふとしたはずみでガラスにあたりやすく、割れてしまうのです。
これだけといえばこれだけです。ただ、針や文字盤もダメになった時どうするか?
どのメーカーも部品の単体販売などはしておりませんので、普段ならまるごとメーカー修理です。が、フランクはそれが出来ません。
海外からどうにか取り寄せるしかありませんが、正直入手出来るかどうかはその時々なのです。できたとしても当然時間も金額も長く・高額にかかってしまいます。
とはいえ、破損さえさせなければいい話でもありますので、お使いの際はお気をつけくださいね。
あと、ブレスでもラバーでも、ここの隙間(写真3)や裏蓋ネジの穴には汚れが溜まりやすくサビの原因にもなりますので、たまに歯ブラシなんかで汚れを掻き出してあげるといいかと思います。
内部については交換部品が多く必要でしたが、ムーブはETAですので交換部品も容易に入手出来ました。オーバーホールが終わってもやはり外装、ケーシングや針取付も気を使うのですが、外装の特殊さに比べ内装のベースが(だいたい)ETAというのは修理者として安心できる部分でもありますね。
ご依頼、ありがとうございました。