フランク ミュラー トノウカーベックスカサブランカ オーバーホール、仕上、秒針ハカマ締め直し
腕時計修理内容
ブランド名 | フランク ミュラー |
モデル名 | トノウカーベックスカサブランカ |
型番 | ref.6850CASA |
修理内容 | オーバーホール、仕上、秒針ハカマ締め直し |
修理料金 | ¥53,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答を頂きましてから作業5週間 |
症状タグ | 止まる衝撃 |
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修理後の正面画像です。
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25~35秒位置でガラスと当たっていました
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カーブしたケース形状
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針も先端をカーブさせています。
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
当店にて5年ほど前にオーバーホールいただいた時計が止まることが多くなった、とのことで渋谷店に修理をお持ち頂きました。
修理受付後に改めて状況を拝見しましたところ、止まりは秒針が25秒前後の位置で毎回確認できました。
フランク ミュラーはその美しいイメージを表現するために、ケースやガラスは大きく曲線を描いています。それに合わせて文字盤も外周に向かって緩やかにカーブし、針は先端が下げられています。(画像3,4)
元は古い時計のレストアをも行っていたミュラー氏は自身の名を冠する作品の造形に対するこだわりはとても強く、カーベックスはその名が示す通り1930年代の時計に見られる流線型のアール・デコ調デザインと手首にフィットする実用性から非常に人気を博したモデルから発想を得ています。
優雅な曲線を描いたデザイン故に、文字盤と針とガラスのクリアランスはとても厳しく、少し針の位置が違うだけでも接触し、止まりや遅れなどを起こしてしまいます。
それに針の取付けは、針根元のパイプ部分(ハカマと言います)がムーブメントの軸に圧入されていまして、ごく繊細な力で取付けられていますので長年のご使用に伴う振動や衝撃などで緩み外れてしまう事もあります。
また、メンテナンス時には針の抜き差しが必要ですので、そのたびに圧入の嵌めあいは弱くなります。取付け時に圧入が弱い場合は既定の位置にしっかりと取り付けられるようにハカマ部分の締め直しも行います。
これまでも当店にて定期的なメンテナンスを行っている履歴もありましたので、今回は秒針の圧入が弱くなってきていました。
そのままでも支障はないようにも思いましたが、止まりの原因がガラス内側に針が当たったことでしたので万全を期してオーバーホール時にハカマの締め直しも行いお渡しとなりました。
Y様 ご依頼ありがとうございました。