パネライ ルミノールパワーリザーブ オーバーホール、仕上、切替車、ローターネジ交換
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
PAM00090|パネライ ルミノールパワーリザーブのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
中からすごい音がする、とお預かりしたこちらのパネライ。拝見させて頂くとなるほどすごいとしか言いようのない音がします。
先日何かの事例でも書きましたが、実際に異音が起きているとお持ちになられる方のうち、実際に異音がしている時計はホントに少ないのです。ほとんどの場合は、全く問題ない考え過ぎのレベルです。一定の割合で音はするけれど美錠やバックル、ブレスレットの音、という方もおられまして、こんな記事を書く事で変に不安をあおってしまっていないだろうかと...
とはいえ、今回の様に修理にお持ちになられる方がいれば書いてよかったな、と。
・・・・・・・・🐤
話が脱線しましたね、戻しましょう。
内部を開けると分かり易くローターと自動巻き受けに擦れ跡が出来ていました(写真2、赤丸部分)
ベースとなっているETA Cal.7750は大きなローターをこのネジ1本で支えていますので、たまに折れてしまっている物を見かけます。(写真3)折れたネジが喰いついた状態だった場合、喰いついたネジに極小の穴を空け、少しづつ穴を広げていってネジを除去、最後にメスネジをタッピングして...と作業工程が待っているのですが、幸い今回は喰いつきもなく細い棒で突くだけで回し抜く事が出来ました。
なんとなくですが、まずネジが振動か何かで緩み、ローターがガタついて、そこからネジが折れたのではないでしょうか。
派手に散っていた摩耗カスですが、その他大きな不具合は少なかったようです。
オーバーホールとご希望の外装仕上、それに折れてしまったローターネジ、いつものように切替車の交換にてお渡しする事が出来ました。
ご依頼ありがとうございました。