ロレックス デイデイト オーバーホール・仕上・1番受け・巻上げ車・パッキン類交換
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
18238|ロレックス デイデイトのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
ご購入から10年ほどが経過し、久しぶりに使おうとしたところ動かないという事で、初めてのオーバーホールをご依頼いただきました。
部品代が嵩みそうで、当店工房修理よりメーカーの方が安く対応出来ではありましたが、それでも当店でお願いしたいとご注文いただきました。ありがとうございます…!!
日の当たる場所で保管をされていたそうで、文字盤ヤケが結構目立ちます。
外装仕上をしたら落ちるかご質問を頂きましたが当店ではお断りをさせていただきました。
文字盤焼けは文字盤塗料に紫外線が当たって劣化、変色を起こしたもので。傷や汚れを磨いて落とすものが外装仕上で、もしこの文字盤ヤケをどうにかする場合は当店でしたら交換一択となってしまいます。
修理屋さんによっては文字盤リダン(書き直し)の対応をしているトコもありますが、当店としてはリダン=改造という判断をしていますので未対応となります。
これはこれでアジがあっていいかなとわたしは思うのです。
さて中身はCal.3055。デイデイトだから特殊かというとベース部分は特別何かがあるという訳ではありません。
今回は単純に使い込んだ部分が摩耗・劣化している状況です。その部分というのが”1受け”という部品です(写真2)。
ここでムーブメントの部品名について簡単に。
まず、地板という円形の板に、輪列(歯車)を乗せて、何枚かの受け(ムーブによって違います)で地板と一緒に輪列の上下ホゾを位置決めしています。地板と受けで輪列をサンドイッチしています。
話をもどしますが、今回交換の部品が1番受けとなります。1番車(香箱車、中にゼンマイの入った歯車)の受けだから1受けです。これが今回はダメになっておりました。
こういったパーツのように、高めでかつあまり交換する事のないパーツがダメになっていると少しドキリとしてしまいますね。
摩耗と劣化で交換をしないと手巻した時の違和感が残ります。また、あとどれほど問題なく使えるか?という事を考慮しまして今回は交換の判断をしました。
結果として高めの修理にはなりまいましたが、長くお使い頂けるかと思います。
ご依頼ありがとうございました。