タグ・ホイヤー カレラキャリバー5 オーバーホール・仕上・切替車・パッキン交換
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
Ref.WAR211B.BA0782|タグ・ホイヤー カレラキャリバー5のオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
正規店でご購入後4年、すこし動きが悪くなってきたという事でオーバーホールのご依頼をいただきました。
メーカーの保証期間も伸びてきたとはいえ、4年も経過すれば大概のメーカーで保証は切れてしまいます。
悪くなってきた動きについて細かく伺ってみたところ、手巻きが重くなり、すぐに止まるようになってきたとの事。
裏蓋は中が見える仕様ですので、ちらっと中を見てみると中の機械はセリタCal.200。
タグ・ホイヤーで、このムーブで、手巻きが重い状態、さらに裏蓋ガラスにも摩耗カスがチラホラと付着(写真3)しています。ここからまっさきに想定するのは自動巻き周りの不調です。
今回はセリタ社のCal.200ですが、他メーカーでもETA Cal.2824でも似たことが多いので、整備やメーカーの問題ではなく、機械設計上の弱い/繊細な個所なのだろうと思います。
同じセリタ/ETAでもCal.300/2892はそこまで不具合が起きづらいあたり、輪列の配置なのか切替車の数なのか...(切替車はCal.200/2824が2枚、Cal.300/2892が1枚構成)。何がどれほど影響しているのかは知れるものなら知りたいものです。
さて、話を今回のお時計に戻しましょう。お預かりしてお見積をお待ちいただく事3週間ほど、予想どうり自動巻き周りから切替車の交換が入りました。軸以外にも切替車の部品摩耗が起きていたようです。他にはパッキンのみで済んだのは単純にご使用頻度と期間の問題でしょうか。
ご了承をいただきましてから1月半ほどでお渡しする事が出来ました。
ご利用ありがとうございました。