ブライトリング クロノマット お見積りキャンセル
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
B137B53PA|ブライトリング クロノマットのオーバーホール・修理|腕時計のオーバーホール・修理なら【宝石広場 時計修理センター 渋谷】
担当者コメントと修理のポイント
ご購入から十年くらいたち、初めてのオーバーホールということでお預かりいたしました。
ご使用年数もさることながら、毎日使ったというクロノマットはだいぶヤレてきていました。
手巻き・日付送り・針回しと内部機械の操作であるとか、ベゼルの固着やブレスの滑らかさといったところに大きく不具合が出ている様子はないものの、リューズ操作全体はパッキンのグリス切れによってキチキチしてますし、日付送りは若干動きがシブく、ベゼルはあからさまに回転が重く、またブレスコマは1部固着している状態でした
ベゼルの回転とブレスコマは錆ではなく汚れのつまりで洗浄対応できそうですし、リューズパッキンのグリス切れはグリスを指せばよく、日付送りはバラしながらチェックしていきましょう…
ということで内部はETA Cal.7750ですね(写真2)。ローターにプリントされたロゴ以外は目立った装飾はありません。今でこそ多くのムーブメントがキレイに装飾されていますが、このころだとまだまだ見えない位置に仕上を行うのは本当に限られたメーカー/モデルだけでした。
お客様のご指摘として、全巻きにしてもすぐに止まるということから輪列周りの調子が悪いのだろうとは想定して作業を進めました。
油の劣化自体はもちろんとして、やはりというか3番車、4番車の軸がだいぶ摩耗していました。出来るだけ汚れを除去の上摩耗部分を軽く磨いてみましたが、やはり動作が悪く交換することとしました。
外装仕上もご希望いただいたのですが、ベゼルやリューズ・プッシャー周りの金色部分は無垢ではなくメッキでして、磨いた箇所と磨かれていない箇所にちぐはぐな印象が出来てしまいます。
結果料金が相応にかかる割に仕上が中途半端ということになってしまい、お見積りキャンセルをされることとなりました。
今回はお力になれませんでしたが、またのご利用をお待ちしております。