オメガ シーマスターコーアクシャルアクアテラ メーカーコンプリートサービス、リューズ・チューブ・巻真交換
腕時計修理内容
ブランド名 | オメガ |
モデル名 | シーマスターコーアクシャルアクアテラ |
型番 | ref.2504-70 |
修理内容 | メーカーコンプリートサービス、リューズ・チューブ・巻真交換 |
修理料金 | ¥64,900-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積り3週間、ご返答いただきましてから作業3週間 |
症状タグ | 操作しづらい/出来ない部品劣化/破損 |
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修理後のお時計
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摩耗したチューブのネジ山
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交換されたチューブのネジ山
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回はリューズのネジ込みが出来なくなってしまったオメガを修理キットにてお預かりしました。
2006年にご購入してから初めてのメンテナンスという事もあり内部の状態は油切れだけでなく歯車軸も摩耗していました。
当店では基本的に3~4年に1度を目安に定期オーバーホールをお勧めしていますが、まれに長期間メンテナンスをしないままでも動き続けるために使用されている時計を拝見します。
定期整備のお勧めをしている理由としては、時計に止まりや遅れなどが起こる原因に潤滑油が経年により油汚れや乾いてしまう事で歯車への回転抵抗が大きくなる事を避けたいからです。
抵抗が大きくなり時計が止まらないままでも、油がない状態で使い続けている事で歯車軸が摩耗していき抵抗だけではなく更に摩耗汚れが発生しムーブメント全体に散る状態までなります。ここまでくるとその摩耗汚れそのものが歯車に詰まり完全に時計が止まる事も珍しくありません。
では今回のように長期間メンテナンスをせずに使う事ができる時計がなぜあるのか?というと、おそらく運よく摩耗汚れがたまたま動作部に付着する事がなかったのでは考えています。
そのような時計の内部状態を見ると油は完全に乾いて軸は著しく摩耗し、かろうじて動作はしていても各部の状態はとても悪くなっています。時計として表立っては一見して動いてはいるものの、内部としては息も絶え絶え...といった状態です。このような瀕死の内部状況だとしても、ご使用者様からすると「結構調子がいい」とおっしゃる事も多く、必ずしも実用していた精度に影響するかは使い方によっても変わってきます。自動巻きの効率が悪くなっても日常的に手巻きを併用している方なら限界ギリギリまで止まる事もないでしょう。
精度が悪くなってきていても緩やかに変わっていっている事で気が付かない事もありますし、機械式という事で数日に1回使う程度でしたらそのたびに時間を合わせるでしょうから気にならなかったのかもしれません。
今回のお時計もそれに近いご使用状況でした。ご使用頻度が低く、使うたびにゼンマイがほどけて止まっている事で手巻きをして時間合わせをしていたそうです。そのためかムーブメントに目に見える不調が出る前にねじ込み式のリューズとチューブのネジ部が摩耗して山がなくなり締め込みが出来なくなっていました。
画像2と3のネジ部の山を見比べていただくとお分かりいただけるでしょうか。画像2が交換前で画像3が交換後です。
防水性に大きく影響する部分ですし飛び出したままのリューズは見た目もよくありません。
リューズもチューブも当店ではパーツとして入手ができませんのでオーバーホールも含め一式をメーカー修理となりました。
メーカーでのコンプリートサービス、リューズ・チューブ・巻真交換にて修理完了です。
当店で購入いただいた時計はメーカーへの代行手数料を頂いておりませんので、メーカーからの修理料金そのままをご案内させていただきました。
M様 ご依頼ありがとうございました。