ロードスター オーバーホール(洗浄を含む)、外装仕上

腕時計修理内容

ブランド名 カルティエ
モデル名 ロードスター
型番 ref.W62002V3
修理内容 オーバーホール(洗浄を含む)、外装仕上
修理料金 ¥38,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。
修理時間 お見積り2週間、ご返答いただきましてから作業4週間
症状タグ

カルティエ ロードスター オーバーホール(洗浄を含む)、外装仕上

  • カルティエ ロードスター 修理後のお時計です

    修理後のお時計です

  • カルティエ ロードスター ケースは独特な曲線を描いています

    ケースは独特な曲線を描いています

  • カルティエ ロードスター ブレスレットとケースの裏側です

    ブレスレットとケースの裏側です

  • カルティエ ロードスター ブレスレットを外したところです

    ブレスレットを外したところです

担当者コメントと修理のポイント

前回のオーバーホールから5年ほどたち止まりやすくなってきたということと、ブレスレットとケースのつなぎ目がガタついてしまうということで渋谷店に定期メンテナンスのご依頼を頂きました。

お時計はカルティエのロードスターです(画像1.2)。

ロードスターが2002年に発表されるまでカルティエは繊細なイメージが強くスポーティなモデルは多くありませんでしたが、既存モデルのトーチュをベースにして針をブレゲ針からペンシル針に変え、ケースをより厚くすることでよりスポーティなモデルになっています。
またロードスターというモデル名の通りオープンカーをイメージされたケースはなだらかな曲線を描き、既存のラウンド(円形)やレクタンギュラ―(長方形)などには当てはまらない独特の形状をしています。

デザイン以外にもロードスターから採用されたブレスレットの交換システムは大きな特徴です(画像3・赤丸で囲った部分)。
ブレスレットやストラップを取り外そうとしたとき、ほとんどの場合はケースからブレスレットを外すためにバネ棒を外す必要があり、ある程度の知識や経験がないと気軽に取り外すことはできませんでした。
そこでカルティエが開発したのが画像のレバー機構です。
この機構があることでもしストラップへ交換する際も赤矢印方向にレバーを引くだけで簡単に取り外すことができるようになっています。

エンドピースの裏にレバーが組み込まれ、バネでケースに押し当てることでロックがかかり外れないように作られています。
このロックはブレスレットからケースにレバーを押し当てているだけですので、レバー機構だけではブレスレットやケースがズレるだけで固定はできません。
そのためズレないようにエンドピース裏の両側面には凸部がありケースには溝が作られています(画像3の青矢印部分)。
ブレスレットはケース裏蓋側からこの凸部と溝をはめるようにして取り付けられていますのでレバーがケースに押し当てられてもズレることなくロックがかかるようになっています。

画像4はブレスレットとケースをはずしたところです。
それぞれに作られた凹凸がわかりますでしょうか。取り付けの際には凹凸の面が斜めになっているためはめ込むだけで凹凸が噛み合いロックがかかり、レバーを引けば簡単にブレスレットを外せるようになっています。

お預かりしたロードスターはこの隙間に汚れがつまりレバーが中途半端な位置で止まっていました。
お使いになる内に汚れが入り込んで固着し、なにかの拍子にレバーが少し動いてしまったことでケースとブレスレットのつなぎ目にガタがでていました。
固着した汚れをきれいに洗浄しましたところ動きの悪くなっていたレバーも軽く動くようになり、しっかりとケースとブレスレットを固定できるようになりました。
ケースやブレスレットの裏側は肌が直接触れるためどうしても汚れはたまりやすく、またレバーも奥まった作りをしていますので汚れを完全にきれいにすることは難しいと思います。
ご使用後の拭き取りなどである程度汚れのつまりを防ぐことも出来ますが、やはり定期的に専門店で洗浄をお勧めします。

外観の特徴は多くありますが、内部に搭載しているムーブメントはETA Cal.2892A2 をベースに仕上などを変更されたCal.3110と非常にシンプルです。ご依頼の発端の”止まりやすくなってきた”原因もご使用年数なりに内部の油が劣化や揮発することでおきていたことと、部品の摩耗や極端な調整のズレなどもなかったためオーバーホールと外装仕上にてお渡しができました。


K様 ご依頼ありがとうございました。