修理・アフターサービス

微妙な熱加減が大事な「青焼き」を再現します|見た目だけじゃない【ブルースチール】

みなさん、こんにちは。アフターサービス部の小島です。

先月は”読書の秋”にかこつけて久しぶりに読書を堪能しました。つい、調子に乗りすぎて本を買いあさっていたらどんどん財布が軽くなってしまいまして、、、。

さて、もうすぐ師走ですね。やっぱりお金がかかる時期なので、ちょいと節制をしなくてはと思う今日この頃です。

そこで、数年前に中断していたプラモデルを改めてつくろうかと思います。素組だとすぐに終わってしまいますが、とことんディティールアップすれば数カ月は持つはずです。

さて、作る題材はこちら。
guzzi数年前、コツコツ作成したパーツを掃除機で吸い取ってしまい完全にやる気がなくなっていましたが、良い機会なのでつくり直そうと思います。

数年ぶりに見るモデルはなんだかサイズの割にちゃっちく見えます。色がしょぼいのかな?塗装はほんとにニガテなんですが、特に難しいのがマフラー。

実車では乗っていくうちに色づいていきます。これは素材に熱が入ることで色づいているのですが、、、。

ネジの青焼きは”焼入れ”の後の”焼きもどし”で実現している

ここで。時計の話にはいります。

色つき金属。時計にも、ありますね。そうです。ネジですよ。
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これは、上のバイクで起きていることをわざとやっています。普通、ネジや歯車の軸なんかは素材そのままではなく、”焼入れ”という過程をへて強度を上げてています。

ただ、これでは強度は上がりますが、ふとした拍子に折れたりし易くなってしまいます。 そこでさらに”焼きもどし”という作業をしてちょっとした曲がりや折れに対して強くします。

焼きもどしをする時、温度によって素材の色が変化していくのですが、その中にキレイなあの青色があるんです。r0011821

ブルスチールねじを作ってみる

作業方法は熱を入れるだけですが、ほんとにキレイに色をつけようとするとなかなか難しい。
r0011823色がおかしい上にまだらになってしまいました。

そこで真鍮の皿の上に置いて熱を入れてやります。真鍮は熱伝導率がいいので、だいたい均等に熱が入れることが出来るんです。皿を熱し、適当なタイミングで素材を投入。

さらに適当なタイミングで素材を取り出して水などで冷やします。・・・・・てきとう、ばっかですね。

特に時間を測っているわけでもなく、なんとなくで作業してるもので、、、。でも、”テキトウ”ではなく、”適当”なタイミング。微妙ですが大切です。

上手くいくとこんなカンジに。
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写真が少しブレてしまいましたが、それなりにきれいに色が乗りました。 個人的には上記のパネライなどのような明るいブルーより少し紫がかったくらいの色味が好きです。

ネジは思っている以上に衝撃などに弱く、折れてしまう事がままあります。ブルースチールネジなど、あまり部品供給の無いものでもただの銀色ネジを使うと悪目立ちをしすぎてしまいます。

“どうにかならないか”を考え続け、1つ1つ丁寧に、できる限り頑張って修理をしています。どうぞお気軽に声をかけてください。

  

  

  • 修理担当した時計
私が担当しました

宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。

時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。

1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。

是非お気軽にお問合せください。

ご依頼方法も様々にご用意しています。
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