みなさん、こんにちは&こんばんは&おはようございます!
アフターサービス部の小島です。
皆様年末年始はいかがお過ごしだったでしょうか?
忘年会に新年会にと騒がしかった12月が終わり、1月も半ばまで過ぎました。
日がたつごとに行方不明になっていくゆきちさん達。
先日ついに最後まで残っていたゆきちさんもいなくなってしまい、私のお財布に残っているのはそうせきさんばかりになってしまいました。
いまだ1つ2つ残っている参加予定の新年会をどうすればいいのか、不安でいっぱいの年明けを過ごしています。
…。
時計の日付機構(デイト機能)とは
ということで!
早く日がたってほしくて時計の日付を弄りながら過ごしているので!
今日のお話は時計の日付についてです。
日付はもちろん、曜日やムーンフェイズに月、ごく高級品になるとカレンダー操作ほぼほぼ不要の「パーペチュアルカレンダー」や、年に1回、2月から3月に変わる時だけ操作が必要な「アニュアルカレンダー」なんかがありますが、差し当たって今日のお話は普通の日付についてです。
文字盤の、たいてい3時位置についてますよね。
モデルによって5時だったり、6時だったりするのですが、印字の向きが違うだけなので同じものと思ってください。
時計の日付機構は『夜の0:00に変わる』わけじゃない
この日付、皆さんご存知のように24時間で1回変わるのです。結構勘違いされているのが”夜の0:00に変わる”機構ってのとはちょっと違うのです。
たとえば、下の時計を見て午前なのか午後なのか分かりませんよね?時間を合わせを12時間間違えてしまうって事がままありまして『昼の12時に日付が変わる様になった!』とか『夜に日付が変わらない!』なんてお話を聞くことがあります。
日付の早送りには『禁止時間帯』があります
このくらいならいいんですが、ちょっと怖いのが日付の禁止時間帯。
ムーブによって細かくは違いますが、だいたい日付変更の前後4時間、20:00~04:00は日付の早送りをしたらダメだよって時間があります。この禁止時間帯に操作してしまうと、1発で日送り機構が壊れちゃうので重々ご注意ください…!
特に時計が止まってしまった後、ゼンマイを巻いて時間を合わせて…ってする時。止まったのが午前なのか?午後なのか?
なんとなし、時間を合わせようとしている時間が昼なのか、夜なのか、にひきずられがちですが、実際にお天道様がでてるか月が見える時間かってのは、当然まったくかけらも関係ありません。
針を回して、日付がかわったタイミングが午前0時です。針を回して、日付が変わるのを確認して、午前と午後を確かめてから時間を合わせてください。
カレンダーの切り替わりには前後10分くらいブレがあるもの
また、ロレックスなんかは”デイトジャスト”って名前の機構がついてて紛らわしいんですが、日付の変わる時間というのは、日によって(モデルや個体によっても違いますが、だいたい前後10分くらい)ブレがあります。
例に挙げたロレックスのデイトジャストってのは0:00ピッタリに変わる機構、ではなくて。日付の切り替わりが一瞬で行われる機構なのです。
時計の日付機構の内部構造
さて、そんなわりと知られてない1面のある日付機構。
なっがいなっがい前置きを終えまして、どんな構造になってるかなーって本題にようやく入ります。
これがムーブメント内部のカレンダー機構
はいどーん。
写真のはベースのCal.7750に24時間表示の付いたムーブですね。金色の歯車が日送り車、右のが日付早送り車、数字が印刷されてるのが日付車です。
日送り車のはたらき
この金色の車が日送り車です。
これが24時間に1回転しまして、日付の印字された日車を24時間で1つだけ進めています。
禁止時間帯に操作してしまった場合
なんで禁止時間帯があるのか?というのは、この日送り車の歯先、赤丸で囲ったツノみたいな箇所が
日車の歯先の移動範囲にある時に
別系統(ここでは手で早送り操作)の力を加える事で、日車が強引にでも回ろうとしてしまうのです。
日送り車の歯先と、日車の歯先がぶつかり合った結果、どっちかが(たいていが日送り車が)まけて、歯先がへし折れてしまいます。
日付の早送り禁止時間帯、こういう構造なので設定されています。
たまに『自分はやっていない』という方がいらっしゃいますが、部品を見ると歯先の歪みや曲がり・折れがありますので、「気が付かないうちにやってしまっていますね」というお話をさせていただいております。
どんな時に早送り禁止時間帯に操作してしまうのか?
その後よくご質問を頂くのが『いつやったのか?』という事。確実な答えはわかりません。”その”操作をした時がわからないので…
ただ例として挙げるのでしたら
- そもそも禁止時間帯を意識されていなかった。
- 午前と午後を間違えて時間合わせしたため、禁止時間帯に操作してしまった。*昼の1時だと思って日付調整をしたら時計は夜の1時を指していたため…というような。
- リューズ操作・引き出しや押し込みをする時に少し回してしまって。。。
なんて方がいらっしゃいました。
もちろん、もちろん↑みたいなことではなく、内部的に不具合を起こして日送り機構が動かない、という事もありますので、ご来店であれ、ご配送であれ、まずは内部チェックをしてからご案内をいたしております。
すこしづつ、週1回くらいのペースを戻せるようにがんばってます。
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。