みなさん、こんにちは。
早くも夏バテ気味のアフターサービス部 小島です。
山の中ということで多少なりと涼しいかと思い、林道ツーリングへと出かけました。
1)やはり暑いものは暑くてバイクに乗るどころではなかった…
2)熱いどころか雨が降って寒い位でした…
ってどっちかを想像していたのですが、ちょうど良い位の曇天。
ここしばらくの好天具合に、晴れオトコに変態したんじゃって 一人ほくそ笑んでおります。
さて、どんどん暑くなってきますが、春先に機械式時計を初めて買った方、いらっしゃいませんか??いらっしゃいますよね、きっと。
そんなきっといらっしゃるに違いない、『購入時に受けた説明の記憶が薄くなってきている方』に向けて、愛用の時計を長く使うための、ちょっとした注意点などが今回のお話です。
目次
【基本的な使い方】 1. リューズの操作
何はなくともコレですよね。
手巻きに日付・時間合わせなどたいていの操作をリューズで行いますよね。
ねじ込みがある時計は、まずリューズを少し6時方向に回して解除してから↓の操作をして下さい。
1段目:手巻き、ゼンマイ巻上げ
2段目:日付合わせ
3段目:針合わせ
【基本的な使い方】 2. ゼンマイの巻上げ
時計を動かすためには、動力を発生させるゼンマイを巻き上げなければなりませんよね。
じゃあどうするかっていうと、手でリューズを回すことでゼンマイを巻き上げます。
リューズを
こう
※時計によって回転方向が違う物もありますのでご注意ください
★ 自動巻き機構の付いた時計であっても、まずは手巻きを行って下さい ★
⇒ 機械式時計全般、ある程度ゼンマイが巻かれていないと精度が出ません
※意図的に時計を振っての巻上げは、良い事なんて1つもありません
※詳しくは以前の記事その1とその2を見ていただくとして、振るのは少なくとも4~50回は手巻しても動かない時、きっかけを作る為にほんのちょっとだけで充分です
★ さらに、手巻式のモデルはこれ以上巻けない状態、『巻き止まり』があります ★
⇒ 絶対に無理に回そうとしないでくださいね
【基本的な使い方】 3. 時間の合わせ方&見方
リューズを矢印の方に引いて
回せば時間を合わせる事が出来ます。
特殊な時計や古い時計でない限り、24時をまたいで針操作をしても特に問題はありません。
日付が付いているモデルは日付が変わるまで時針を右回りに回してください。
たいていのモデルですと、時計の表示は12時間ですよね。
でも、内部的には24時間なんです。
ですので、止まってしまった後などは特に24時間ある事を気にしてください。
しないと表示している時間が午前なのか午後なのか分からなくなってしまいますからね。
【安全な使い方】 1. クロノグラフ秒針
あとは、えっと、簡単に。
円で囲んだ中の長い針、秒針じゃありません。クロノグラフ(ストップウォッチ)の秒針です。
6時位置のインダイヤル部分が秒を表示する部分です。
お間違えのないように。
【安全な使い方】 2. リューズのねじ込み方
ねじ込む時は簡単に話せば
① 押して
② 回す
の2ステップ。
押して~をどう説明するか、私はもう普通になりすぎてしまって口頭&文章だといっつも悩むのですが、昨年入社したKGさんに聞いたら
”ペットボトルのキャップを締めるように”とのこと。
おお~分かり易い!!
なぜ悩むかといえば、ナナメにねじ込んで回してしまう方が、結構いらっしゃるのです。
するとどうなるかってネジ山を痛めて要交換&メーカー修理です。
ちょっと痛めるならまだしも、完全にねじ込みがダメになっている時もあり…
じゃあどうするかっていうと、
①と②の間、1.5としましょう、ちょっとだけ左に回してください。
すると…
オスネジとメスネジのネジ山がいい塩梅のところで、カチッと小さな感触があります。
それを確認してからねじ込んでください。
どの操作にいえる事ですが、力をかけすぎれば壊れて&壊れやすくなってしまいますのでご注意を。
【安全な使い方】 3. 日付の合わせ方
時間の合わせ方で書いた事と被るのですが、修理依頼をいただく中で日付周りの不具合はかなりの部分コレなので書きますね。
時計は12時間表示でも内部は24時間です。
そのため日付や曜日、月齢の切り替わりの前後4時間程は早送りをしてはいけません。
これを日付の早送り禁止時間帯、と呼んでいます。
以前の記事その1と以前の記事その2に詳しく書きましたが、日付の切り替わり時間がおかしい、切り替わらない、中途半端なところで引っかかるなどなど…
時計の中を開けてみると、たいていが禁止時間帯での操作によるものです。
この時間帯はメーカーやモデルによって違う事もありますが、おおよそ「日付が切り替わる24時の、前後4時間を避ける」事で故障を大幅に減らせます。
⇒ 「前後4時間」が覚えづらければ、時計が6時か18時の時に日付や曜日の操作をすれば大丈夫です。
【安全な使い方】 4. 水気について
3atm、10atm、100m、200m、それ以上…
防水性能は各モデルずいぶんと差がありますが、変わらない事が一つあります。
防水性能を完全に発揮するためには、劣化していない部品が必要です。
防水性を保つのは樹脂製のパッキンなので、どれだけ高性能な防水設計であっても10年経てば怪しいものです。
じゃあ8年は?5年は?3年は?・・・
パッキンがどれほどもつか、それはご使用方法によるとしかお答えしようもないのですが、少なくともメーカーでは1年~2年ごとの点検をおすすめしています。
あまり怖がる必要もありませんし、ほとんどのお客様は点検せずとも、水入りや湿気入りなどされていません。
普通にしていればいい、とはいえ、人によりその普通が全く違う事もあり…
ある人の普通は別の人の非常識、なんて…
あぁ、脱線しそうなので話を引き戻します。
とりあえず、風呂や温泉やサウナ、ドライヤーやシャワーは絶対に避けて下さい。
温度変化や水圧でダメになっている事が多い気がします。
安全に長く使うには定期的なメンテナンスを!
メンテナンスの期間につきましては他店様やメーカーとも様々考え方がありますので、色々な話があって混乱するかと思います。
実際にお使いいただいて問題が出ていなくとも、今までの経験上、たいてい内部的には油の劣化や軸の摩耗が起きていますので宝石広場では3~4年でオーバーホールをお勧めしています。
実際には10年、20年使ってオーバーホールにお持ちになられて大した部品交換も無いなんて方もいらっしゃいましたが、基本的には経過年数が長いほど部品交換は多くなります。
最終的にはどのタイミングでメンテナンスをされるかはお客様方の好みになってくるのかな、と思います。
修理・メンテナンスも宝石広場にお任せください
以上のような事に気を付ければ、大切なお時計も長くお使いいただけるのではないでしょうか。
今回書ききれていない事も多々ありますし、時計についてこんなことが知りたい!などありましたら、お電話・LINE・このブログへのコメント・アフターサービスのページからお気軽にご連絡くださいませ。
アフターサービスのページでも修理事例をちょこちょこ書いております。
見たよ!ってお話を聞けるとやる気と更新頻度が上がるかもしれません♪
積極的に見たよってお話をください…!!
渋谷の宝石広場本店では、3階ショールームの1つ上の階、4階に東京都内でも有数の規模と修理実績を誇る時計修理の専門工房を構え、11:00~19:30まで修理受付をしております。
時計修理技能士の資格を持った修理専門の熟練スタッフが多数在籍しておりますので、不具合が発生しましたらまずお問い合わせください。
◆電池交換・ベルト交換・ガラス交換・ブレスレットのサイズ調整・キズ取り外装仕上げ・オーバーホールなど時計全般の修理対応を受け付けております。
◆各ブランドごとの修理料金も修理料金ページよりお知らせしています。
◆遠方の方は、無料宅配修理キットによる配送での修理対応も行っています。(送料無料)
◆宝石広場以外で購入された時計でも、古めのアンティーク時計でもご対応いたします。
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。