IWC メカニカルフリーガースピットファイアクロノ オーバーホール・仕上・切替車、ゼンマイ、丸穴車、ローターベアリング交換
腕時計修理内容
ブランド名 | IWC |
モデル名 | メカニカルフリーガースピットファイアクロノ |
型番 | ref.IW370618 |
修理内容 | オーバーホール・仕上・切替車、ゼンマイ、丸穴車、ローターベアリング交換 |
修理料金 | ¥65,000-(税込) ※事例公開時の価格となります。 |
修理時間 | お見積3週間、ご返答頂きましてから作業1,5か月 |
症状タグ | 定期メンテナンス油切れ部品劣化/破損 |
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正面から。これでまだ洗浄すらしていません。
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出てるピン以外は完全に錆びついてました
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ぱっと見はそれなりに綺麗な内装
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ちゃんと見ると劣化・汚れがわかります。
私が担当しました
宝石広場修理部スタッフ。時計修理技師。時計修理業界歴約20年。
時計の状態確認/点検/判定/故障個所の修理などの技術的な対応から、接客/見積もりまで幅広く担当。
1つ1つの時計に丁寧に向き合い、お客様のお手元に良い状態でお戻し致します。
是非お気軽にお問合せください。
担当者コメントと修理のポイント
今回は前回メンテナンスしてから4年、定期メンテをご希望されてお預かり致しました。
今までにも幾度かメンテをなされていたと伺った話と外観がとてもキレイな事から、とても大事にご使用されていたのだろうと想定して作業を始めました。
さて、あちらこちらで同じことを書いていますが、このモデルで気をつけなければいけないのはブレスレットです。調整用プッシャーが錆びて動かなくなったりポロリと外れてしまったり...。
今回とてもキレイだったので気にしていなかったのですが、実際に触ってみてびっくりです。写真2で3本抜けているピンがありますよね?これ以外錆びついて微動だにしませんでした。
洗浄してみたりかるく叩いてみたりしましたが、一向に動く様子もないので火/熱を入れてどうにか全部のピンを抜き出しました。抜き出したピンは錆びづらいようにピカピカに磨いた後、ブレスとあわせても錆び取り剤に付け込んだあと組み付けました。
外装が汚れもなくキレイなのに、見えない位置は錆だらけ...水洗いでもされていたのでしょうか。日常的なメンテナンスについてはブログでも書いたハズですので、気になりましたらご一読ください。
中はCal.7750系ですね。(写真3)。中の油も劣化/減少(写真4)していて、それなりに摩耗していたため、交換パーツは切替車、ゼンマイ、丸穴車、ローターベアリング交換とすこし多めでした。今までのメンテでは交換パーツが無かったそうですから、部品としての寿命を迎えたのでしょう。
どれだけ大事に使っていても部品は徐々に、使用されただけ、または経過した時間なりに耐久性を落としていきます。今回交換した事でまた長くお使いいただける事と思います。
ご依頼ありがとうございました。